ミルク

白い月に爪を立てて 落ちて来いと 見上げているの
真っ白なミルクのような光で 心の渇きを止めて下さい

聞こえぬ響かぬ お釈迦様が溜め息を落とす地上には
色取り取りの珍なる物 溢れて褪せていく
ハイテクノロジーは コンプレックスの裏返しでしょうか
私達は 今も 何かが欠けている

白い月に爪を立てて 落ちて来いと 見上げていた昔を
私達はいつまで経っても 心の何処かで 憶えているのでしょう

弱虫 たくまし 儚き私達は 進みながら
何処かに還りたがっているようで
そんな何処かに 繋がれた時には
温かい涙が心を潤します
隙間を埋め尽くしている 目の眩むようなネオン光
どんなに離れていても 波は止まるわ

白い月に爪を立てて 落ちて来いと 見上げているの
真っ白なミルクのような光は 宇宙(そら)の母から地上へ降り注ぐ

眠りましょう よい子達 身体はおのずと 明日へと運ばれるわ
眠りましょう 微睡む世界 別れた誰かとも繋がれましょう 今夜は‥‥
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