LIVE REPORT

髭(HiGE) ライブレポート

髭(HiGE)

髭(HiGE) SHIBUYA AX

2007年12月20日@SHIBUYA AX

取材:高木智史

2007.12.20

飽和状態とも思える現代の音楽シーンに授けられたロックの禁断の果実。髭(HiGE)の最新アルバム『Chaos in Apple』だけでも十分なシーンへの呈示となっているのだが、それを引っさげた、髭特有の狂気と歓喜を呼ぶライヴではさらに混沌としたダーティーな世界を見ることができた。 メンバーそれぞれが互いの波長を合わすかのように音を出し合い、一気に爆音を放ったオープニング。それはこのカオスがビッグバンを巻き起こしたかのように思えた一瞬だった。その余韻の残し、1曲目の「寄生虫xベイビーxゴー!」が始まる。たゆたうギターにツインドラムのソリッドなサウンド、そして須藤のヒステリックなヴォーカル。加えてサビのキャッチーさは、もはや髭ロックの様式美として、迎えるオーディエンスの歓声とともに会場中に鳴り響いていた。シングルとしてリリースされている「黒に染めろ」や「ロックンロールと五人の囚人」などではイントロですでに歓声が起こり、観客は揺れたり跳ねたり、思い思いのアクションをする。それは彼らの音楽が確実に浸透し、認知されたと思わされた瞬間だった。須藤はこの日、あるひとつの言葉をMCで連呼していた。それは“ありがとう”である。いつも以上にシャウトし、ステージを駆け巡り、時にドラムを叩いたり、ギターを掻き鳴らしていた彼は、このソールドアウトとなった満員のファンに感謝を惜しまなかった。このアルバムまでの制作やライヴという軌跡は間違いなく彼らにとって大切な経験となっているはずである。これから“髭(HiGE)”という5人の集団はより独自の音楽を鳴らし、もっと大きな歓声を浴びることになるのだろう。そう思うと楽しみで仕方がない。