LIVE REPORT

SOUL FLOWER UNION (with ミドリ) ライブレポート

SOUL FLOWER UNION (with ミドリ)

SOUL FLOWER UNION (with ミドリ) Shibuya O-WEST

2008年03月28日@Shibuya O-WEST

撮影:オオクマリョウ/取材:石田博嗣

2008.03.20

『闇鍋音楽祭』とはSOUL FLOWER UNION(以下、SFU) の対バンライヴのこと。その東京公演初日は、1月にベーシストが正式加入した新生ミドリがゲストである。“闇鍋”というタイトルが如く、ジャンルレスのライヴが展開されること請け合いだ。 楽器隊だけでムーディーに始まったミドリのステージだが、その演奏はどんどんと熱を帯び始め、やがて壊れていく。そして、後藤まりこがステージ奥から走ってフロントマイクの前に立ち、“あんたは誰や”と叫び出す。まるでDNAが原始の記憶を取り戻したような感情的なパフォーマンスで、アバンギャルドなサウンドを解き放なつのだった。その後もパンクやロック、ジャズ、ポップスを超越した本能の音楽で場内を圧倒した。 ミドリがぶちまけた混沌とした空気を、今度はSFUがかき乱す。1曲目から伊藤孝喜の跳ねたドラムとJIGENのうねるベースでダイナミックなグルーブを作り出すと、河村博司の職人的なギターや奥野真哉の表情豊かなキーボードがサウンドを彩り、中川 敬の野太くインパクトの強いヴォーカルと上村美保子のリズミカルな掛け声が聴く者を惹き付ける。そして、観客はロックやパンクの泥臭さ、カントリーや民謡の土臭さをSFU流に昇華した、生命力あふれる楽曲に酔い、踊る。ミドリが感情を爆発させた音楽ならば、SFUは“音楽は楽しい”というパッションに満ちたものであり、まさに両者が高揚感を高め合う“祭り”のようなライヴだった。