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銀杏BOYZ ライヴレポート

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【銀杏BOYZ ライヴレポート】 『世界がひとつになりませんように』2019年1月15日 at 日本武道館

2019年01月15日@日本武道館

撮影:松木宏祐/取材:フジジュン

2019.01.23

1月15日、銀杏BOYZが2017年10月以来2度目の日本武道館公演となる『世界がひとつになりませんように』を開催した。この“1月15日”は2003年のGOING STEADYの解散~銀杏BOYZの結成、2005年の1stアルバム『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』『DOOR』リリース、2014年の2ndアルバム『光のなかに立っていてね』とライヴリミックスアルバム『BEACH』リリースとバンドにとって重要な日。まるでライヴハウスの至近距離から伝えるようにひとりひとりに歌を届けると、“毎年、この日に武道館でライヴできたらいいんですけどね”と峯田和伸(Vo&Gu)は笑顔で語った。

峯田がたったひとりでステージに登場し、スクリーンに映るギターを背負う姿に大歓声が起きたオープニング。“誕生日であり、葬式であり、結婚式みたいな日かもしれない”と1月15日というバンドにとっての大切な日を語ると、“今日という日をどんなに待ちわびたか”と喜びを伝え、「生きたい」の弾き語りでステージが始まる。

日本武道館を埋め尽くすひとりひとりに訴え掛けるように、渾身の歌声を聴かせる峯田。曲中にバンドサウンドが加わるとその声は強大な音像とともに大会場に響く。1曲目から命を鳴らすような演奏と唄で圧倒したあとは「若者たち」「駆け抜けて性春」と勢いある曲に会場中から歌声と拳があがり、新曲「GOD SAVES THE わーるど」の披露に客席がどよめく。

さらに「恋は永遠」や「夢で逢えたら」といったラブソングが続くと、「新訳 銀河鉄道の夜」ではミラーボールの光が星空となって会場を照らし、愛とやさしさとセンチメンタルが会場を包み込む。ゲストに迎えたDr.kyOnの美しいピアノに乗せて歌ったRCサクセションのカバー「スローバラード」に続き、ピアノと歌で始まった「光」は強烈な光を放つようにバンドの爆音が鳴らされ、峯田の咆哮に近い魂の叫びが心を揺さ振る。

僕は「光」や“ロックンロールで世界を変えることはできないけど、君の世界を変える”と歌った「僕たちは世界を変えることができない」を聴いて、この日のライヴタイトル“世界がひとつになりませんように”のことを思っていた。銀杏BOYZのライヴや音楽に“一体感”という言葉は似合わない。実際、この日も観客それぞれが“自分の歌”を受け取っていたし、峯田も群衆でなくひとりひとりに歌っていた。そう、世界はひとつなんかじゃない、人の数だけ世界はあるのだ。最後に“ズルしてでもなんでも、どうにかして生き延びてください”と、もっとも伝えたいメッセージを届けた。誰かではなく君が生き延びるため、峯田は歌い続けているのだ。どうか、世界がひとつになりませんように。

撮影:松木宏祐/取材:フジジュン

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