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焚吐 ライヴレポート

【焚吐 ライヴレポート】 『焚吐 リアルライブ・カプセル Vol.3 〜解放運動〜』 2018年7月31日 at 渋谷WWW

2018年07月31日@渋谷WWW

撮影:達川範一/取材:池田スカオ和宏

2018.08.09

個人が抱える闇や孤独を持ち寄り、それらの先に待つ光を夢見、詞の内容をはじめ選曲や曲順、パフォーマンスに至るまで、集った者たちと共創し、結果それらはこの上ない景色へと導いてくれた。まさにそんな一夜であった。今春発売のミニアルバム『呪いが解けた日』の東名阪レコ発ライヴツアー『焚吐 リアルライブ・カプセル Vol.3 〜解放運動〜』。全箇所完売な同ツアーが7月31日の渋谷WWWで大成功ののち幕を閉じた。

この日は前半から驚いた。普段はギターとともに歌う焚吐がハンドマイク然としていたからだ。しかも、間にはクラップを煽る仕草や身体を使った歌表現やジェスチャー等、これまで観られなかったアクションも交えられている。躍動感とドライブ感あふれる新作の冒頭曲「コントロール・ミー」を皮切りに、サビの切なさが開放感とともに会場中に広がった「クライマックス」、ホッピングをしながら歌う姿も印象的だった「グリンプス・グランパ」等、前半は1stアルバムからの楽曲を中心に進んでいく。色が変わり始めたのは、中盤のアコギ1本によるカバー「アイロニ」辺りから。今ツアーで初披露の新曲「魔法使い」では、すでに他界した母に向け、慈しみ交えた心の手紙が伝えられた。

後半は新作楽曲を中心にポジティブ目な曲が印象深かった。手を伸ばし歌われた「返してよ」、感情を叩き付ける激しい詩の朗読を経て場内に一体感を呼び込み、会場の歌声も交え完成を見た「青い疾走」、タオル大旋回曲「君がいいんです」、そして本編ラストの「神風エクスプレス」では、まさに制止不能のエクスプレスが会場を駆け抜けた。アンコールではこれからに向けての気持ちの込もった楽曲が立ち並んだ。会場をグイグイ惹き込んだ「僕は君のアジテーターじゃない」、フラメンコ調の「モラトリアム」が情熱を広げていけば、「夢負い人」も開放感と景色感を寄与してくれた。また、孤独を抜けた先に待っている素晴らしい世界へと誘った「時速40000kmの孤独」、最後は「泣き虫レイニー」が闇を超えた先の笑顔の花を在処を教えてくれた。

この日、終始笑顔のステージ上の焚吐を見るにつけ、新作のタイトルとツアーの副題に今さらながら合点している自分が居た。

撮影:達川範一/取材:池田スカオ和宏

焚吐

タクト:1997年2月20日生まれの21歳。東京都出身。某音楽大学在学中。10歳頃から楽曲制作を始め、それらを人前で歌うことで、自身の苦手とするコミュニケーションの代わりにしてきた。普段の物静かな佇まいとは裏腹に、本音を露わにした鋭利な歌詞と心に訴えかけるような力強い歌声が特徴の男性シンガーソングライター。同じく悩みやコンプレックスを抱えながら生きる若者を中心に共感を呼んでいる。

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