スワンの夢が意味するものは石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 柏大輔 | | スワンの夢が意味するものは 水面下に隠したものを 誰かに明け渡すときが来た 立ち入り禁止の屋上の空が一番きれいだってこと いつだって閉じられてる箱に美しい想像がある 秘密ひとつさえ持てなくて 今 人を愛そうとしてるのです 薄曇りの空 語れなくともほら つばめはつばめでいようとする スワンならどう鳴くだろう スープを零さないように ただあなたの口に運んであげる そんな静かな繰り返しが愛すること ほらあの白いブラウスの人 あそこにああやって座って何するんでもなく 夕方のブランコはあんまり好きじゃないはずなのに 過去の残像をいまさらめくってどうするの 人生が良いものであるかどうかなんて無駄なこと 一秒でも遅れたら鮮度をなくしてしまう感情 一秒でも早かったら完璧なオーロラが見えないってこと ああ だからこの列車から降りてもいい人と降りてはいけない人がいる 上手く言えないんだけど 上手く言えるようになったら たぶんもうその時じゃなくてドアの外を失う closed いまそこにあるから薄汚れた階段を上がる 上がる… |
私がそう思うのは自然なことだった石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | 砂の螺旋をひとり眺めている私と 部屋の床に膝立てている 黙り込む影は同一線上にある ah誰かの涙の上を歩く覚悟がないなら 美しい言葉をせめて分け合うの あの子がいないとそこが海にならない 海が海にならないと 心というものは ほらどうにかしようとすると 余計に一人歩きして手に負えなくなる だから何もしない 何もしないという強さ さっきから音楽が止まないんだ 夏の日のミシンの音が自分を作ってくれた 誰もが自分の最初の形をそう覚えている 私がそう思うのは自然なことだった 私がそう思うのは自然なことだった ひとつのものを捨てるときがきたら それが愚かでも大事だったことを ちゃんと胸に落としたいんだ 私がそう思うのは自然なことだった あの子がいないとそこが海にならない 海が海に 私がそう思うのは自然なことだった 私がそう思うのは自然なことだった |
読む石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | テーブルの上は何も置かれてない いつかのフォークとナイフを 記憶だけでは並べることはできないの どうしようもなく変っていくことを 私を読みなさい 私を読みなさい 静かな風景にも私はなれるけど 夏に雪をも降らせる空持たねば 私は人ではいられない あの人はハルキの本を読み続ける その中の風景のひとつでも借りて 私の真ん中を紐解といてくれないだろうか 私を読みなさい 私を読みなさい 痛い程求める間合いはいつ届く 横顔の綻びに本を無情に積み重ねていくひと 私を読みなさい… 私を読みなさい… 私を読みなさい 私を読みなさい 静かな風景にも私はなれるけど 夏に雪をも降らせる空持たねば 私は… 私を読みなさい 私を読みなさい 痛い程求める間合いはいつ届く 横顔の綻びに本を無情に積み重ねていくひと |
雪が眠るとき IN PIANO石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 南ゆに | | ほらひとつ雪が わが名をあげよと 語らせど足らずして 雪落ちる… その名を知らない鳥たち ほの白く立つ朝に解き放し その帰路 奪った者だと知りながら 雪は白いとあなたは言う 時の声を挙げては ほつれてゆく旗の音 土混じる雪に横たわる 雪が眠るとき あなたを選んだ 独り語りという名の波打ち際を 歩く者だけに与えられたもの 罪深き美しい景色をすべて観せて欲しい 雪が眠るとき 生まれ落ちたとき 愚かさを慰める四季などないから 歩くものだけに与えられたもの 罪深き美しい音を聴きながら眠りたい 雪 雪 雪 雪…‥ |
Respect Me~last message~石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | 会いたいよ 会いたいよ 昨日の感情 僕が生きて手にした光は 誰の目にも触れずにきたけれど 手のひらの分だけ Respect Me 僕の身体から白い鳥がふわり飛びたつ 幾千の横たわる星の上 何度も旋回しながら このそらで消えていくことが この世界の望みならば 会いたいよ 会いたいよ 踵踏んだまま走った夜の暑さを 情熱とそう呼べるものだとしたら 誰かに繋いで欲しい物語 薄い毛布にくるまり雨の音に惑えば 面倒な言葉たちで自分の周りを囲いたくなって 何をあんなに怖がってたのか すべてはあの場所にあるのに 会いたいよ 会いたいよ 風が通る部屋で眠れずにいたこと あの椅子に他の誰か座るなら 今が愛おしいと伝えて 会いたいよ 会いたいよ 昨日の感情 僕が生きて手にした光は 誰の目にも触れずにきたけれど 手のひらの分だけ Respect Me 走った夜の暑さを 情熱とそう呼べるものだとしたら 誰かに繋いで欲しい物語 会いたいよ 会いたい 会いたいよ 会いたいよ 会いたいよ 会いたいよ こんな静かな場所に連れてこられ もう汚れたものを観ることもない なのに夕映えをみた後のような寂しさはなんだろう 忘れられないほどの風景を いくつ覚えているかどうかなんてことより 愛する人に優しい言葉残さなかったことが きっと永遠に僕に雨を降らせる こんな静かな場所でまだ風に吹かれ 生まれてきた最初から終わり その先に続いていく永遠 覚めない夢 君を見ている 君を見ている |