メタンハイドレート文藝天国 | 文藝天国 | ko shinonome | ko shinonome | ko shinonome | 目を疑う季節の変わりゆく速さに僕は置いて行かれたみたい。 隠し持っていたナイフを捨てるような厭世観で、息を殺し続けるんだ。 間違いだらけの人生だ。 この身体の乾く前に天国をつくっているんだ。 水情で泳いでいる魚のように終りたい。 もう何も失わないように。 目を疑う季節の変わりゆく速さで、僕ら平均を装って。 君の声を忘れていく。 僕の声も掠れていくから、 アレグロ・アパッショナート。 大人になっていく。 美しさ求める心が消え去ってしまうのならば、 水槽で泳いでいる魚のように終りたい。 もう何も失わないように。 間違いだらけの人生だ。 この身体の乾く前に天国をつくっているんだ。 水情で泳いている魚のように終りたい。 もう何も失わないように。 |
生活をとめて文藝天国 | 文藝天国 | ko shinonome | ko shinonome | ko shinonome | 生活をとめて! 生活をとめてよ! 花は咲けど咲かねど、何時枯れるか 誰一人分からないの。 生活をとめて! 生活をとめてよ! いつも、満たされない心で夢を見ているの。 回る列車の目的地を教えて。 揺られ揺られ、流れに身を任せて、 君もいつか降りてしまうの? |
天使入門文藝天国 | 文藝天国 | ko shinonome | ko shinonome | ko shinonome | 呼吸がどうにも止まってしまった夜を思い出して、 君に触れたいな。 開いた窓を覗いて泣いている。 私は可笑しくて、ちょっと笑いそうになった。 照れくさいな。 手を握ったり、花を添えていく。 窓は閉じられて、視界が暗くなって。 心の周りが熱く燃えている。 私は終わらないよ。 そっと目を閉じていく。 痛みの無いまま身体中が溶けていくのだ。 声は出せないが、 君の音楽が鳴っているんだよ。 鳴っていたんだよ。 私はいつからか私の人生が、 映画のように思えてきたんだ。 恋も失敗も全部が材料で、 なんともない毎日の隅に神が宿った。 涙を呑んだって、脚本は私だ。 思いつけばそのままに筆を取ってきた。 日毎増えるページ。 だけどそれも今日で終わりね。 最初で最後だ。 ノートを閉じた。 痛みの無いまま身体中が溶けていくのだ。 声は出せないが、 君の音楽が鳴っているんだよ。 鳴っていたんだよ。 光の射すまま、心だけが次の場所へ。 形はないから、君の音楽が鳴っているんだよ。 痛みの無いまま身体中が溶けていくのだ。 声は出せないが、君の音楽が鳴っているんだよ。 鳴っていたんだよ。 |
宿命論とチューリップ文藝天国 | 文藝天国 | ko shinonome | ko shinonome | ko shinonome | 簡単に君は嘘をついて、 淡々と騙される振りをした。 都合の良い宿命論で僕を連れ出して、 本当のことを今教えてよ。 此処に春が咲くまで眠らせて。 狂おしい程、愛していた日々のことを忘れさせて。 春が僕らを溶かしていくなら、 もういっそ僕を騙してくれよ! どうかしてる? 華麗なステップで。 感傷的な夢の中ではいつも、 君は食器を割り泣き叫んでいるんだ。 僕は君の目を見て、何も出来ないまま、 真実の美しさに見惚れる。 冷たい僕らが、もう凍えてしまわぬように。 此処に春が咲くまで眠らせて。 狂おしい程、愛していた日々のことを忘れさせて。 春が僕らを溶かしていくなら、 もういっそ僕を騙してくれよ! どうかしてる? 華麗なステップで。 いつかの映像。 踊る君の指の動きで眩む。 寂しさを埋めるために、僕らは傷つけ合って、 気づけば息をするのも儘ならない。 此処に春が咲くまで眠らせて。 狂おしい程、愛していた日々のことを忘れさせて。 春が僕らを溶かしていくなら、 もういっそ僕を騙してくれよ! どうかしてる? 華麗なステップで。 |
おいしい涙文藝天国 | 文藝天国 | ko shinonome | ko shinonome | ko shinonome | 君の思想を注いでいくテイカップ キスをしている。 それもわからなくなってゆく いつから? 薄まる想いだ。 流れる涙が、幸せの対価だ。 ならもっと悲しませてよ。 二人のためだよ? 確かめる行為、身体は騙し合いだ! 愛は覚容か それでも痛いのは嫌。 ああ水の中は、 宇宙みたいだ。 流れる涙が、幸せの対価だ。 喉の渇きを忘れる程に美味しいのだ。 |
夢の香りのする朝に。文藝天国 | 文藝天国 | ko shinonome | ko shinonome | ko shinonome | 「また会おう」とか下らない。 言葉はいつも酷く薄情だ。 君の一番の私でも、君の選択を変えられないわ。 わかってるよ。 愛だって忘れていくならもう、 誰もが泣く映画みたいな終わりなら楽だよな。 過ぎ去った秒針を、巻き戻しては泣いてしまう。 止め処ない感情の波に呑まれて、夢の中だって滲んでしまう。 悔しくて音楽を何度書いても、君に届かないの。 星空のような砂浜で、雲を指差して君は咲うんだ。 「いつか私たち星になる。」 伸ばす手の甲が、透けている気がした。 目を覚ました。 昨晩の雨は止んでいて、濡れた窓をそっと開いたら君の香りがする。 過ぎ去った秒針を、巻き戻しては泣いてしまう。 止め処ない感情の波に呑まれて、夢の中だって滲んでしまう。 悔しくて音楽を何度書いても、君に届かないの。 |