迷える時間も与えられない、でももう歩き出さなくちゃ。

 1月5日は<1(いち)5(ご)>の語呂から<いちごの日>、または<いちご世代の日>と呼ばれております。いちご世代とは“15歳”のこと。高校受験を控えたこの世代にエールを送るのが<いちご世代の日>なんだそうです。ちなみに人間を年齢で分けたとき、幼年期=0歳〜4歳、少年期=5歳〜14歳、青年期=15歳〜24歳、を指すようなので、15歳とはちょうど大人の世界に一歩、足を踏み入れるような時期なんですね。それゆえに、様々な不安や迷いが生じる年齢でもあります。

十五の僕には誰にも話せない 悩みの種があるのです

未来の自分に宛てて書く手紙なら
きっと素直に打ち明けられるだろう

今 負けそうで 泣きそうで 消えてしまいそうな僕は
誰の言葉を信じ歩けばいいの?
ひとつしかないこの胸が何度もばらばらに割れて
苦しい中で今を生きている
今を生きている
「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」/アンジェラ・アキ

落書きの教科書と外ばかり見てる俺
超高層ビルの上の空 届かない夢を見てる
やりばのない気持の扉破りたい
校舎の裏 煙草をふかして見つかれば逃げ場もない
しゃがんでかたまり 背を向けながら
心のひとつも解りあえない大人達をにらむ
そして仲間達は今夜家出の計画をたてる
とにかくもう 学校や家には帰りたくない
自分の存在が何なのかさえ 解らず震えている
15の夜
「15の夜」/尾崎豊

 この年齢をテーマにした楽曲は多く存在しますが、特にこの2曲は有名ですよね。どちらの歌も15歳の自分が誰にも言えない心情を打ち明けた歌詞となっております。<悩みの種>…その内容は、進路のこと夢のこと恋愛のこと家庭のことコンプレックスのこと、人それぞれでしょう。しかし「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」には<ひとつしかないこの胸が何度もばらばらに割れて 苦しい>、「15の夜」には<自分の存在が何なのかさえ 解らず震えている>というフレーズがあり、自分でも自分をどうにも出来なくなってしまっているという状況は通じているんです。
 
 そして何より、それを誰にも相談できないことが一番ツライのではないでしょうか。<誰の言葉を信じ歩けばいいの?>、<心のひとつも解りあえない大人達をにらむ>というフレーズからは、本当は信頼できる大人に頼りたい、助けてほしい、心の支えになる言葉がほしいというSOSが伝わってきます。でも、今はいい歳に見える大人たちだって、かつては同じ“15歳”経験者なんですよね…。「大人なんて…」と、背を向けたくなる気持ちも十分にわかりますが、それでも、閉じた心のシャッターを自らこじ開けて、思い切って誰かに思いを伝えてみることで、少しでも何かが変わるのかもしれません。

なんとなくだけじゃ生きていけない
だってもう別れ道だらけ
迷える時間も与えられない
でももう歩き出さなくちゃ
「15」/GIRLFRIEND

 また、昨年、【平均年齢15歳】のメンバーからなるガールズバンド“GIRLFRIEND”が8月に1st mini album「Hello」でインディースデビューを果たしました。さらに11月には1st single「15/Hide & Seek」でメジャーデビュー(※現在は平均年齢16歳!そのタイトル曲「15」もまさに、<いちご世代>の葛藤や悩み、そして決意が素直に綴られた楽曲。しかしこの曲が前述した「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」や「15の夜」と異なるのは、歌詞の中で<こころに聞いた 素直な私を 信じていいよ>と、15歳の自分の言葉で自分を肯定しているというところなんです。

あれから ずっと 見えない未来を
追い続けてきた
選ぶべき道を選んだこと
忘れないで

あれから ずっと 見えない未来を
追い続けてきた

これから きっと 未来が見えてくる
そんな気がするんだ
選ぶべき道はひとつだから
「15」/GIRLFRIEND

 そして、歌はこのように幕を閉じていきます。聴き終えたとき、なんだか一筋の光がスーッと差し込んでくるような気持ちになりますよね。15歳の心に寄り添う「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」や「15の夜」と同じく、ぜひ、この1月5日<いちご世代の日>にオススメしたい1曲ですので、歌詞をチェックしてみてください!新星ガールズバンド“GIRLFRIEND”の2017年の活躍にも注目です。