あるひ　もりの　なか
くまさんに　であった
はな　さく　もりの　みち
くまさんに　であった

くまさんの　いうことにゃ
おじょうさん　おにげなさい
スタコラ　サッサッサのサ
スタコラ　サッサッサのサ

　きっとみなさん、子どもの頃に一度は聴いたことがある童謡「森のくまさん」です。しかし、大人になって改めてこの歌詞を読んでみると、ストーリーに不思議な点を感じませんか？ どうして彼女はこんな森にいたのでしょうか。出会った熊は、どうしてお嬢さんに＜おにげなさい＞と言ったのでしょうか、お嬢さんは何から逃げたのでしょうか…。もしかしたらココには“省略された物語”が存在するのかもしれません。今日のうたコラムでは、そんな「森のくまさん」にBメロとサビを足すことによって、新たなドラマを生み出した楽曲をご紹介いたします。

ある日森の中　熊さんに出会った
花咲く森の道　熊さんに出会った

ひとりぼっちの私を　強く抱きしめた熊
初めての温もり　体中に染み込んで
心地良くて流す涙　
だけど私はダメな子　人に言えない過去がある

色んな事に手を出した
犯罪・ギャンブル・膨らむ借金
私今追われている　だからあなたの邪魔になる
『そんな君の過去どうでもいい』と奪われた唇　
初めてお嬢さん心開いた

そこにやってきた警察

熊さんの言うことにゃ　お嬢さんお逃げなさい
スタコラサッサッサのサ　スタコラサッサッサのサ
「森のくまさん」／パーマ大佐

　……なんだかグッとシリアスでアダルトな物語になりましたねぇ。ヒロインの＜おじょうさん＞も、童謡では幼い女の子を想像していましたが、この新・「森のくまさん」ではいろんな経験を重ね、波乱万丈な人生をおくってきた女性の姿が浮かび上がってきます。どうやら彼女は、イケナイことに手を出してしまい警察に追われている模様。それゆえに、こんな森の中に身を隠していたのですね。そして、ずっと＜人に言えない過去＞を抱えて孤独に生きて来た彼女は、森の中で出会った熊に初めて温もりや愛情を感じ、心を開いたのです(“熊”=“男性”の比喩…？)。しかし、そこに警察の姿が！そう、熊さんが＜お逃げなさい＞と言った理由は、お嬢さんを警察の手から逃がすためだったのです。
　
　さて、この新・「森のくまさん」を作りあげたのは、23歳の“パーマ大佐”というピン芸人です。2016年12月7日に「森のくまさん」でメジャーデビューを果たしたばかり。尚、母はピアニスト、父は音楽評論家、姉は作詞家という音楽一家で育った彼は、芸人とはいえ、かなり音楽の才も溢れております。2015年の『歌ネタ王決定戦』では決勝進出を果たし、2016年9月にオンエアされた『ゴッドタン』の【マジ歌ルーキーオーディション】では高い演奏能力で存在感をアピール。今や「森のくまさん」の関連動画再生数は約500万回を記録。ネットで大流行しており、第二のピコ太郎…！？とも言われているそうな。今後さらなるブレイクが期待できそうですね！

ところが　くまさんが
あとから　ついてくる
トコトコ　トッコトッコト
トコトコ　トッコトッコト

おじょうさん　おまちなさい
ちょっと　おとしもの
しろい　かいがらの
ちいさな　イヤリング

あら　くまさん　ありがとう
おれいに　うたいましょう
ラララ　ラララララ
ラララ　ラララララ
ラララ　ラララララ
ラララ　ラララララ
　
　童謡「森のくまさん」にはまだ、このような歌詞の続きがあります。では、新・「森のくまさん」ではどのようにストーリーが展開してゆくのでしょうか。気になりますねぇ！最初＜私＞目線で綴られていた歌詞が、途中から熊さんの＜俺＞目線になっていくところも注目です。是非是非、歌詞の全貌をチェックしてみてください。「森のくまさん」の真実が見えてきますよ！また、カップリングの「お弁当箱の歌」もこれまた童謡をアレンジしたおもしろい歌詞となっておりますので、こちらも併せて読んでみては…！？

＜パーマ大佐 コメント＞
CDに関しては、くまさんとお嬢さんの過去から未来の関係性やちょっと笑えるところもありつつも、くまさんがいなくなってさみしい思いをした、お嬢さんの気持ちの移り変わりを約5分間の曲の中で作れたと思っていますので、是非、そこを注目しながら、聴いていただけると幸いです。夢ですが、この曲でミュージックステーション出たいです！