どうか愛は変わらないで、誰も知らなくていい…。

 現代女性の愛や葛藤を歌い続けるシンガーソングライター“加藤ミリヤ”が、12月7日にニューシングル『最高なしあわせ』をリリースします。今作に収録されているのは、タイトル曲と「愛の国」と「幻」、3種類のラブソング。これらの歌詞は、3つのまったく異なる小説を読んでいるようでもあり、3人の主人公たちがどこかで繋がっている1つの物語のようでもあり、すべてが同じ主人公のようでもあり…。どう捉えるかはあなた次第。今日のうたコラムではそんな3曲をご紹介いたします!

会えない時間もあなたを
想えばいつも頑張れる
憧れてた安らぐ日々
与えてくれるあなたに全部捧げたい

出掛けないで部屋に籠って
朝まで愛を囁き合った
今日幸せ 明日も幸せ
ずっとうっとりしてる 強く抱かれ

最高なしあわせ あなたと暮らしたいから
二人でひとつだから離れないよ
感じてる 信じ合えることが大切
見つめ合えば不安も消える いつも

こんなに愛されてしまって
離れられず求め合って
どうか愛は変わらないで
誰も知らなくていい
あなたは永遠の希望
祈るように見つめるよ
だから大丈夫 Oh my darling
「最高なしあわせ」/加藤ミリヤ

 “しあわせ”を切り取って愛おしさに満ちた1曲。愛している人に愛されるということはタイトルどおり、これ以上ないほどの幸せですよね。この歌詞は一見、一点の曇りもない絶頂ラブソングのように思えます。でもなぜか、曲を聴くとものすごく切ない気持ちにもなってくるのです…。その理由は、感じる幸せが大きければ大きいほど“失う怖さ”も生まれていくからではないでしょうか。<今日幸せ 明日も幸せ ずっとうっとりしてる>主人公ですが、本当のところは心のどこかに「最高なしあわせ」と同じ分の不安を抱えていることを自覚しているのかもしれません。
 
 まず、<会えない時間>や<あなたと暮らしたい>というフレーズがあることから、このカップルにはまだ“同棲”にも“結婚”にも至っていない物理的な距離があることはわかります。そして<見つめ合えば不安も消える>…ということはそもそも“不安”がある、ということでもあるのです。だからこそ彼女は<どうか愛は変わらないで>と願い、彼を<祈るように見つめ>、自分に<大丈夫>と言い聞かせているような気がします。つまりこの曲は、手放しで「最高なしあわせ」に浸り切った心ではなく、半分は「最高なしあわせ」がどうか続きますようにと切々と祈る心を描いているのでしょう。

キスをした日から覚悟決めてた
欲しくても手に入らないこと知った

薬指に誓いは輝き
約束はいつも出来なくて
今日だけはわたしのもの
抱いて 離せない

誰かの夢 大事なもの
壊しても未来願う
最後にわたしを選んで
信じて愛して生きてく
「愛の国」/加藤ミリヤ

周りがうるさく騒いでも
大切にしてくれてありがとう
現実は限りある愛だった
それでもほんとうの愛だった

いい子でいたくて 自由な君に合わせて
君色に染まること 君の一部になれたみたいだった
叶わないなら こんな気持ちになるなら
あの瞬間キスして欲しくなかった

いつの日もやさしかった
いつも理想求めてた
じゃあね さよなら わたしまだ子供だったよね
愛の意味もわかってなかった
「幻」/加藤ミリヤ
 
 カップリングは、叶わない禁断の恋を描いた「愛の国」と、終わってしまった恋を幻のようにふりかえる「幻」です。この2曲を聴くと、なんだか「最高なしあわせ」の主人公が不安になる理由もわかるような気がします。だって、恋愛には何があるかわからないのです…。<誰かの夢 大事なもの 壊しても未来願う>ほどの覚悟をもった女性が愛する相手は、「最高なしあわせ」の主人公の彼氏である可能性もあります。信じていた愛がまるで「幻」のように消えてしまうこともあります。映画やドラマと違って、ハッピーエンドのあとも日々が続いていく現実では、その“ハッピー”を終わらせないようにしていくことが大切なんですね…。
 
 さて、冒頭でこの3曲の捉え方は皆さん次第だと述べましたが、物語に何かしらの繋がりがあると考えた場合、曲を聴く順番でもまたいろんな想像が膨らみます。たとえば「愛の国」→「幻」→「最高なしあわせ」の順で聴くと、いけない恋をしてしまった女性が、その恋を失って、そしてまた新たな恋をしてやっと本物の愛(…であると信じたいもの)にたどり着けるまでのストーリーも描けますね。是非、加藤ミリヤのニューシングルを様々な角度から堪能してみてください!

◆ニューシングル「最高なしあわせ」
2016年12月7日発売
初回生産限定盤 SRCL-9188〜9189 ¥1,574+税
初回仕様限定/通常盤 SRCL-9190 ¥1,204+税

<収録楽曲>
1.最高なしあわせ
2.愛の国
3.幻