今回、取り上げた「アーティストから愛される最強ソングは?」つまり、別のアーティストがカバー、レコーディングした回数を、楽曲の評価基準にするというという視点で割り出したオリジナルランキングです。

これまで多くカバーされた楽曲といえば、90年代CDが爆発的に売れた時代の楽曲が多く、美空ひばりの「川の流れのように」(131アーティスト/JASRAC調べ)や井上陽水「少年時代」(98アーティスト)は、現在でも多くのアーティストによって歌われ、時代を超えた名曲になっています。特に今回のランキング3位に登場している「涙そうそう」は現在まで145アーティストにカバーされ今もなおランキング上位にランクインしている名曲です。

2010年に到来した過去最大のカバーアルバム・ブーム以降も、May J.やクリス・ハート、BENIなどがカバーをきっかけにブレイクしている状況を踏まえ、今回は2011年以降に発売されたカバー楽曲限定で「アーティストに愛される最強ソング」を発表いたします。

 

出会いと別れの季節にふさわしいスキマスイッチのバラードソングが見事1位に。カバーしているアーティストの大半が女性アーティストで、じんわりとしみこんでくる歌詞の美しさが、愛されている理由と言える。アニメのヒロインにもカバーされるなど、ジャンルを問わず、誰もが認めるスタンダートナンバーとなった。

 
♪君がどこに行ったって 僕の声で守るよ♪  
●主なカバーアーティスト
 Ms.OOJA・BENI・ケラケラ・藤宮香織(雨宮天)
 

アジアの歌姫テレサ・テンの不滅の名曲。オリジナル発売より、25年以上が経っているにも関わらず、2位ランクイン。いまだ多くのアーティストからカバーされている。なかでも男性アーティストのカバーが多く、Acid Black Cherryやつるの剛士、吉幾三などを聴き比べて、楽曲の素晴らしさに浸ってもらいたい。

 
♪だからお願い そばに置いてね いまはあなたしか愛せない♪  
●主なカバーアーティスト
 Acid Black Cherry・つるの剛士・Tiara・吉幾三
 

森山良子がライブで共演したBEGINと意気投合し生まれた名曲。若くしてこの世を去った兄を想う歌詞で、今や別れの歌の代表曲に。カバーしている大半は、沖縄にゆかりがあるアーティストではあるが、May J.やクリス・ハートなどもカバーしており、日本の心が感じられる優しい歌詞が、老若男女から愛されている。

 
♪会いたくて 会いたくて 君への想い 涙そうそう♪  
●主なカバーアーティスト
 May J.・クリス・ハート・森 恵・さくらまや
 
今回のランキングでもっとも古い曲で、荒井由実(現・松任谷由実)の代表的なヒット曲。作詞・作曲は本人によるもので1975年リリースのアルバム『COBALT HOUR』に収録されている。特に、コーラス・グループのハイ・ファイ・セットが1975年にアルバム『卒業写真』で発売(荒井由実より先に発売)して大ヒット。この楽曲を世に広めることに貢献した。

オリジナルは、JITTERIN’JINN。CD売り上げは、オリジナルを大きく上回り、NHK紅白歌合戦に出場を果たす。チャート3位以内に入ったバンドの最年少記録を更新した。

1999年のデビュー以来ヒットに恵まれていなかったが、2001年に発売した「涙そうそう」が、じわじわとヒットして一躍有名になった。2002年にはNHK紅白歌合戦にも同曲で初出場した。
オリジナルは、ヴィレッジ・シンガーズ。島谷本人出演の花王「エッセンシャル ダメージケア」CMが反響を呼び、急遽CDリリース。NHK紅白歌合戦に出場を果たした。
オリジナルは、ビリー・バンバン。シングルのカップリングとしてのリリースすると、音楽配信で大反響し、途中からA面扱いに変更。21年ぶりにシングルのTOP10入りを果たした。

クリス・ハート「Heart Song II」
2014年6月25日発売
平井堅「Ken’s Bar III」
2014年5月28日発売
May J.「Heartful Song Covers」
2014年3月26日発売

NO.1カバー曲といえば、世界中のミュージシャンたちにカバーされ「世界で最も多くカバーされた楽曲」としてギネス記録を残しているビートルズの名曲「イエスタデイ」であることは有名ですが、それでは、「世界で日本の曲が最もカバーされたのは?」と言うと、「SUKIYAKI」の曲名でカバーされた名曲、坂本 九の「上を向いて歩こう」です。日本でも発売当初から爆発的なヒットを記録したこの曲は、海外での人気も高く、「SUKIYAKI」と改題してカバーしたヴァージョンがビルボードで10位を獲得し、その後、坂本九自身による日本語ボーカルでビルボード3週連続1位を獲得し、現在までその記録は塗り替えられていません。1981年には、テイスト・オブ・ハニーが英語でカバーしてビルボード3位、1995年には、4PMが英語でカバーしてビルボード8位と、時代を超えて愛され続けている名曲です。