透明の鍵

眠る間に心が
盗まれていった
急いで取り戻さなきゃ
明日が来てしまう

微かな声を頼りに
足を速める

夜更けのドアは曇りガラス
立ちはだかれば
迷い道の罠
惑わす
コンパスの鍵は私を正しく誘って
どうかこの先の出口へ

迷路の螺旋は奥へ
奥へ(と)続く←確認!!
暗闇のなかで光る
微かな囁き

眠りの森は
目を細め
お辞儀する
夜明けの窓は 羽のカーテン
心の在り処

指先でそっと救えば
光と闇と風と愛と共に吸い込まれ
私の体を潤す

夢から覚めた朝焼けの当たる右手には
透明の鍵が輝く
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