人生女坂

水に油を ひと粒落としゃ
夢がはじける この浮世
そんな浮世を 片意地張って
越える 茨の 女坂
せめて濡らすな 袖しぐれ

袖をしぼって 素足になって
脱いだ駒下駄 ふところに
後ろ向くから 未練が残る
情(なさけ) 道連れ 女坂
貸した借りたは 五分と五分

五分と五分でも 出来ないことは
人の心の 計り売り
雨があがれば 雲間も切れる
月が 手を引く 女坂
いつか出逢える 花すすき
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