だけどさ、

10代の春に打ち明けた君に
誰にでもやらかくてあたたかな君に
俯き赤らみながら絞り出すように
ささやいたok はじまりを思い出して

淡く輝いてた日々が嘘みたいに
壊れてしまった気付かないすれ違いが
一度目を閉じて開けたら消えていた
それほど栞を挟む隙もなかった

だけどさ、
ああしていればよかった
こうしていればよかったが
最後の最後までわからないままで
風に触って消えていったシャボン玉のように
跡形もなくあの日々が季節にのまれていく

20代の夏に僕らは別々に
SNSは常にな君の毎日は
ストーリーに友達と楽しそうに
まるで色違いな日々を過ごしていた

胸まで伸ばした毛先の裾には
見慣れないアンバー、粧しこんだ君が
真っ赤に塗られた口紅は二人の
あの頃さえも塗り替えてしまった

たった一言話すだけで一度動くだけで
悴む隙もなく交わるあの日々が
空に手放した風船みたいに
戻ることはもうないんだな

だけどさ、
ああしていればよかった
こうしていればよかったが
最後の最後までわからないままで
風に触って消えていったシャボン玉のように
跡形もなくあの日々が季節にのまれていく

だけどさ、
ああしていればよかった
こうしていればよかったが
最後の最後までわからないままで
風に吹かれて飛んでいった花びらのように
手をすり抜けてまた一つ季節が過ぎていく
手をすり抜けたはずの恋を今も抱きしめている
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