みなと桟橋

出船入船 星ほどあれど
あなた乗せてる 船は無い
情け行きずり 一夜(いちや)の恋を
ひとつ布団で 温めた
旅のお方と 知ってるくせに
もしや今日はと 沖を見る

島を出てゆく 意気地も無いし
噂拾える 店も無い
宿で交わした 一夜の酒が
今も酔わせて 後を引く
いつか覚めると わかっていても
夢を明日を 見たくなる

みなと桟橋 迎える人が
一人二人と 消えてゆく
夜が言わせた 一夜の嘘を
はぐれ鴎が またつつく
出船入船 明日もあれど
あなた乗せてる 船は無い
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