caramel city

机に並べた直方体
綺麗に積み上げた
この街が平らになる頃
羊を放って寝るんだ

できるだけ時間をかけて
この街を壊したかった
寝るのにはまだ早いでしょ
うさぎが言った気がした

一つまた一つと
頬張ってしまえば
どろり溶け出した
月が綺麗でした

caramel city
今夜も眠れそうにないな
銀紙の歓楽街を抜けて
caramel city
甘美のまにまに漂えば
なんだか、少し疚しくて

煮詰まるプラットホーム
遅延していく情報
色のない信号
濁りきった街灯

縷々としてラジオノイズは
流れ、満たしていく
溢れそうな退屈を
マグカップに注いで飲み干した

苦すぎて死にそうだ
頬張った、一つまた一つと

caramel city
今夜も眠れそうにないな
銀紙の歓楽街を抜けて
caramel city
朝が全てを溶かせば
羊を放って寝るんだ

caramel city
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