春風に乗って

ひとり見上げる 空が物寂しい
流れた季節すら 見失いそうで
白い吐息に混じり合う唄は
閉じ込めてたはずなのに
ここまで私を連れてきていた

近付きすぎてはもっと きみを傷つけて
遠い日の記憶 もう雪解けはこないと
そう思っていたの
目を開けて!

ほら柔らかな陽だまりに 踊る命が
待っていたよ 芽吹く頃を いつの日から
まだ 透明で空っぽな景色だって
聴こえてくる春の音が
一歩踏み出したら
世界は色づくよ

纏わり付いた 靄がかる日々も
振り払えなかった 弱さも一緒に
自由な風に乗せられるがまま 旅をしよう
もう隠さなくていいよ
また笑い合うために

塞ぎ込んでいる仄暗い 洞窟を抜けたら
一面に光る海のような桃源郷
輝いていたんだ
飛び込んで!

いま立ち止まった自分だって 愛せるように
ありのままで 思うがまま 唄い明かそう
冴返る夜もここなら 痛くないよ
思い出だけそっと連れて
それぞれの未来へ

顔を上げて!

ほら柔らかな陽だまりに 踊る命が
忘れないよ 芽吹く頃に きみがいたと
まだ 透明で空っぽな景色だって
聴こえてくる春の音が
一歩踏み出したら
溢れている 色づいた
世界が
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