わたしたちへ

あの子は誰よりも退屈に慣れている
こちらを見て泣いたりはしない
真夏の日差しに育てられた
母よりも怖いぐらい

わたしでいるために
心の隅の話をしよう
変わりたい変われない
変わりたい代わりがいない
わたしたち

あの子の目の奥はいつも何か信じているようでそらせない
部屋の片隅でくすぶる熱
ささやかな優しさと

歩き方さえ羨ましいよ
寄りかかることが怖い
愛ゆえに

わたしでいるために
心の隅の話をしよう
変わりたい変われない
変わりたい代わりがいない
わたしたち
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