合歓の木陰で

ねむの木陰で あくびして 雲を見上げて
ガラス工場 午後のサイレン
街から吹く風 ねむにもたれて 膝の上
包みをほどいて 丸い黒パン
いちじくジャムに みつばちの羽音

何かを待っていたような なんだかこれでいいような

ねむの木陰で 飴色のページをめくって
異国の文字は 寄せては返す 波の子守り歌
誰かを待っていたような
このままこれでいいような
夕焼けは今日も 爪先から (始まる)
淋しさはいつも 背中から (染めてゆく)
何かを待っていたような なんだかこれでいいような
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