男の風雪

逆(さか)ろうな
さだめ受けとめ 旅ゆけば
佐渡も弥彦も 風と雪
おけさ袈裟懸(けさが)け 三味線(しゃみ)を抱き
寒(さぶ)や寒(さぶ)やで 峠をこえた
すきま風吹く 仮の宿

風を追い
風に追われて 幾歳(いくとせ)か
親の顔さえ 遥かなり
春にゃ桜が 咲き誇る
秋にゃ芒(すすき)も 招いてくれる
こころ晴れる日 いつじゃやら

しんしんと
雪の降る夜 あつあつの
豆腐おどらせ 鍋を食う
そんな一夜の あの女(ひと)が
終(つい)の棲(す)み処(か)に なってもいいと
髪をみだした 柏崎
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