映ら

煙の中で鈍くなっていた
痺れたまま横たわり眠った
上の階から響く怒声は
優しかった母親に似ていた
行くべき場所も何もないまま
コンビニで初めての会話を
あの時僕は前後不覚に
声を裏返した

幼いころ考えた最悪の日々を今
絶望も忘れて唯生きている
生かされている

漠然と今を疑った 只疑った
それ以上はないまま
日が沈みきった 夜明けを待った
どこも行けないで
もどかしくなった 失望ばっか
溜め込んでばかりでは
言いたいことも無いから僕はでたらめに歌う

青い温度は干からびていった
想像力はとうに失った
耳元で鳴っている羽音を
イヤホンで隠した

知覚したままじゃ次の季節に行けないから
何を写すでもない暮らしでまだ
立ち尽くしている

張り詰めた息を失った また失った
嫌いにならないでくれ
どうか見限って もう見限って
何も答えられない
息が早くて張り裂けそうだ
知らぬ間に僕は僕だ
結局何も捨てられないまま重くなっていく

苦しみがあった それだけだった
何もなくなった それだけだった

漠然と今を疑った 只疑った
それ以上はないまま
日が沈みきった 夜明けを待った
どこも行けないで
気づけば嘘だ 人間だった
固執するしか出来ない
ただの人だったんだ
痛々しいほどに鈍感だ
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