初めての街

石畳の街角
花屋が店を開ける
知らないわたしに
微笑みかける

陽差しが壁で踊る
少年の笑い声
昨日の記憶を
風にほどく

はじめての街で
無邪気になる
さよならの理由
人に言わない

紙袋から落ちた
秤売りのCherry & Lime
小さな手のひら
分けてあげるよ

はじめての街が
なつかしくて
あの人のことが
ちいさくなる

Limeが転げてゆく
少年は追いかける
人々の笑い声
昼下がりまでつづく
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