ふるさと挽歌

裏窓たたく 木枯しに
しのぶ吹雪の ふるさとよ
うしろ振り向き 泣きながら
雪の夜汽車で 捨てた町
何がつらくて 恋しがる
送る人さえ いなかった ふる里なのに

命を賭けた 恋もある
夢で終った 人もいる
いつになったら 出せるやら
かけた不孝の 詫び便り
昆布拾いの 手を休め
指に吐息を かけていた 恋しい母よ

灯りがひとつ またひとつ
消えて淋しい 裏通り
酔えば今夜も 追分の
唄がこぼれる 御免酒
遠い夜空も この道も
故郷(くに)の江差に 続くけど 帰れぬ私
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