彷徨 SA・MA・YO・I

Ah, 暮れ行く空に 問いかけてみても
染まり出す雲は ただ 色を変えて
錆びついた夢が 身じろぎもできずに
ぎこちなく揺れる いら立ちの中で

ああ 密やかに 仄めく 遠い憧れよ

とめどなく 湧きあがる もどかしさに目を伏せ
くちびる 噛みしめても 想いは止まらない

Ah, 星も見えない 鈍色の空から
舞い降りたフェアリー 何を見つめてる
忘れかけていた 幾千の夏の日
色褪せた夢は 空回りのまま

ああ 秘めやかに 囁く 遠い歌声よ

かすかな ぬくもりを 手のひらに握りしめ
飛び乗った 夜行列車 窓ガラスにもたれ
はるかな 街灯り 指でなぞれば滲む
戻りたい 戻れない 降りそそぐ春の雨

明けていく空は 淡い薄紅色
流れ出す空に 答えをたずねて

ああ たおやかに そよめく はるかな季節の風

わたりかけた 交差点 ざわめきに振り向けば
雨にかすむ つま先あがり 坂道は行き止まり
とめどなく 湧きあがる もどかしさに目を伏せ
シグナルに 背を向けても 想いは止まらない
かすかな ぬくもりを 手のひらに握りしめ
はるかな 街灯り 指でなぞれば滲む
戻りたい 戻れない
×