蒼い追憶

なぜ?
狂うほどの 想いさえ
口に出せず 今さら
面影を捜すのか
なぜ?
駅の人混みの中で
良く似たうしろ姿
見かけては追いかけるのか

蒼ざめた くちびる
ふるわせる 貴女の
うつむいた肩を抱き寄せ
新しい女さと あいつが
無理やりに 口を寄せた
その夜に貴女
恋してたよ

なぜ?
夜更けのドアを叩いて
酔ってるのと くずれた
貴女を押し止めて
なぜ?
靴も脱がせないままで
“帰ってくれ”と頼んで
うろたえた 五月雨の夜

蒼ざめた頬に
涙 ひとしずく
“いいわ 愛されているの”と
細い肩の鮮やかな爪跡
わざと見せ ワッと泣いて駆け出した貴女
止めも出来ず

今なら貴女を
フワリと抱き
瞳をかさねて
言えるよ
“Love You So”

蒼ざめた
たそがれの都会は
すき透る恋の水底
ほの白く 浮かび出る面影
追いかけて独りさまよう…

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