小雨の窓

窓に凭れて若き日の
寂しくぬれて今日もゆく
乙女の夢のはかなさに
涙の花が散りました

窓にもたれて遠い日の
ぬれてきえゆく日暮時
胸の小鳩がほろほろと
泣けばともるよ紅い灯が

窓に凭れて逝く春の
小雨の音をしみじみと
きけばなつかし故郷の
搖籠(ゆりかご)恋し母恋し
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