恋慕街道

やくざ渡世は男の中の
強い男と結んだわらじ
何故に今宵は流れる月の
真菰がくれに泣いてやら

たった一夜のおしどり旅の
捨てた恋ゆえ口には言えず
びんのほつれもせつなくかんだ
おった未練の星月夜

さめたさめたよやくざな夢が
恋慕街道の夜更けの宿で
いそげ吉三よしっかと母の
やさし面影で抱きしめて
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