告白前夜

子供のころ自分以外はみんなが作り物で
パパとママだって電池で動いているんだと信じていた
鏡に映るこの顔からはどうやったって逃げられない
この目も鼻も口も手も足も爪も髪も伸びる影も

教室で先生のつまんない話あくびしてる
地球の裏側で恋人たちは愛を確かめ合っている

僕の知らない世界で
そんな風に営まれる生活に
あきれるほど真実味はない
長い夢を見る途中

チャイムが鳴り響いている
あの娘は答え合わせしている
ノートに書いた褒められた数を数えてほっとしている
本当の自分だなんて最初からどこにもいないのに
まだ終わらないかくれんぼ見つけてくれるのを待っている

いつかは何もかも話せるときが来るのかな
つぎはぎの毎日をやりすごして息を潜めている

誰も知らない君のこと
鍵をかけて飲み込んでしまえば
あきれるほど優等生だ
甘い夢に夢見てる

僕の知らない世界で
同じように感じているあなたを探している
いつの日か出会うときを夢見てる
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