意味なしアリス

キノコの上の芋虫は 淋しさを教える教授だった
それじゃ始めるよと言い残して
芋虫はどこかへ行ってしまった
もう二度と帰らない キノコだけ残った

アリスはそこで待っていた 2時間 2ヶ月 2100万年
それでも芋虫は帰らない
どうしていいのかわからなくなって
アリスは試しに キノコと寝てみた

それは全然意味がないアリス
何をやってるのかわからない
まるで全然意味がないアリス
意味がないアリスがそこにいる

公爵夫人はわからない
何を言われてもわからない
足し算と引き算と割り算と

チェシャ猫とカボチャの見分け方は
なんとかなるけど それだけじゃしょうがない

なにしろなんにも聞いてない
そもそも興味を持っていない
頭にきたよもう アリスは
公爵夫人の頭を持って
鍋にぶちこんで キノコと煮てみた

それは全然意味がないアリス
耳のないウサギが言いました
まるで全然意味がないアリス
意味がないアリスがくしゃみした

キノコの上に陽があたる
2100万年の陽があたる
いつまでもアリスは待っている
いつまでも待ってる 石になって
苔むしたアリスの上にも陽があたる

というのは実は言い過ぎで
そんなにたいした話じゃない
ほんとのアリスはアパートで
伸びすぎた足の爪を切ってる
何もない暮らしに うんざりしてただけ

ダメだ全然意味がないアリス
何をやってるのかわからない
まるで全然意味がないアリス
意味がないアリスがそこにいる

ダメだ全然意味がないアリス
2100万年 すわったきり
まるで全然意味がないアリス
意味がないアリスは動かない
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