孤守唄

酔って男がうたうのは
すてた故郷の孤守唄
夢のひとつもすり切れて
ゆくえしれない旅ならば
泣いて女が唄うのは
溺れた恋の孤守唄
夜の暗さにたえながら
来るあてのない春を待つ

ねんねんころり ねんころり
生きてりゃ哀しいねんねしな
ねんねんころり ねんころり
死ぬのは淋しいねんねしな

はぐれカモメがうたうのは
すねた浮世の孤守唄
日々の暮しに流されて
やせてしまった哀しさよ
祭りばやしがうたうのは
人と人との孤守唄
淋しがりやがつかのまに
むらがりそして散ってゆく

ねんねんころり ねんころり
生きてりゃ哀しいねんねしな
ねんねんころり ねんころり
死ぬのは淋しいねんねしな

男と女がうたうのは
ひとつになりたい孤守唄
俺もおまえもこの街の
風に吹かれて生きてゆく
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