秩父山脈

覚えていたのか 春の日を
裾野でふるえる 福寿草
秩父山脈 女に積もる
みれんの雪は 溶けません
天鳥川(あまどりがわ)の せせらぎを
遠いあなたに 聞かせたい

ことばに出来ない 幸せを
あなたはおしえて くれたのに
秩父山脈 許して欲しい
かなしみばかり 追いかけて
さだめの終わり 確かめに
ひとり最後の 手紙書く

なみだをぬぐい 見上げれば
静かにたたずむ 国師岳(こくしだけ)
秩父山脈 野分(のわけ)に打たれ
夜霧が行く手 ふさいでも
命をかけた この恋が
明日(あす)のわたしの 道あかり
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