ああすれば こうすれば
こうしたら なんて考えて
進めないでいるなら
複雑な感情 全部捨てちゃえ
「リブート」/miwa
ドラマ『凪のお暇』の主人公(黒木華)は、OLとして働いていた28歳の女性。いつも人の顔色を伺い、場の空気を読みすぎ、無理をした結果ある日、心身ともにダウン。それをきっかけに「私の人生、これでいいのだろうか…」と自分を見つめなおし、会社を辞め、マンションも解約し、付き合っていた彼氏を含め、すべての人たちとの連絡を絶ち、人生をリセットすべく新生活をスタートさせるところから物語は展開していきます。
そして、彼女を追いかける、元カレ(高橋一生)はちょっと性格に難あり。また、彼女の新たな住居であるアパートの隣人(中村倫也)も、一見やさしいけれど、元カレとは違うタイプの難あり。現在、3人の三角関係は周りの人たちを巻き込みながら、複雑にこじれつつ進行中です…。さて、そんな3人のどの立場で聴いても響くのが、miwaの主題歌!
miwaのブレスを合図に、思いきり吐き出される冒頭のフレーズ。ドラマの登場人物はまさに<ああすれば こうすれば こうしたら>とそれぞれの“たられば”を考えては<複雑な感情>に囚われ<進めないでいる>人ばかりですが、わたしたちにも、そんなときってありますよね。でも“選ばなかったほう”ばかり考えていても<時間まで無駄>でしょう。
ああすれば こうすれば
こうしたら なんて考えて
時間まで無駄でしょ
胸の痛み 蹴飛ばし舞い上がれ
愛してる 愛してる 愛してる
なんて 本音さえ言えないでいるなら
複雑な感情 全部捨てちゃえ
「リブート」/miwa
ああしたい こうしたい
こうしたら なんて言わなくちゃ
叶わないままでしょ
高いヒール 蹴散らし 舞い上がれ
信じてる 信じてる 信じてる
私は私 幸せになるんだ
複雑な感情 全部捨てちゃえ
「リブート」/miwa
だからこそ、miwaはこの歌で、すべての“たられば”人間に「リブート」するパワーを与えようとしているのです。あえて「リセット」ではなく“「リブート」=再起動”という言葉を使っているところも重要。まず「リセット」とは、状況を切り替えるために、いったんすべてを最初からやり直すこと。ゼロになることを意味する言葉だと思います。
きっとドラマの主人公も“全部リセットしたい!”という気持ちだったはず。だけど実際のところ、自分のすべてをなかったことにするのは難しいですし、今までの人生にだって少なからず価値はあるはず。ゆえに“不可欠でない要素=<複雑な感情>”だけを<全部捨てちゃえ>とmiwaは歌うのはないでしょうか。
つまり自分の核となる部分、大切にしたいところは残したまま“「リブート」=再起動”して、新たに仕切り直していこうと伝えているのです。たとえば<愛してる 愛してる 愛してる>という本音や<ああしたい こうしたい>という願望。それらは失わないように、ここから<私は私 幸せになるんだ>という意志を持って、歩き出すのです。
これで良いの 間違ってないよね
微妙なメリット 気まずいサルート
華麗にイグジット 共に笑うアミーゴ
ああすれば こうすれば
こうしたら なんて考えて
時間まで無駄でしょ
胸の痛み 蹴飛ばし 舞い上がれ
愛してる 愛してる 愛してる
なんて 本音さえ言えないでいるなら
複雑な感情 全部捨てちゃえ
「リブート」/miwa
ときには<間違ってないよね>と誰かに尋ねたくなるときもあるでしょう。でも<複雑な感情>を全部捨てちゃって、ぐずぐずした人間関係から<華麗にイグジット>すれば、そこには新たな<共に笑うアミーゴ>が待っているはず。笑顔になれるはず。そうやってmiwaは「リブート」に伴う不安も、強く吹き飛ばすかのようにこの歌を歌います。
ああすれば、こうすれば、こうしたら、と今日も悩んでいるドラマの登場人物たちにとって、そしてあなたにとって、miwa「リブート」がお守りになりますように。やがて<胸の痛み 蹴飛ばし 舞い上がれ>る日がやってきますように…!
◆紹介曲「リブート」
作詞:miwa・katsuhiko sugiyama
作曲:miwa