『BLEACH』のことだけを思って作詞をしました。

 2022年11月23日“SennaRin”が1stシングル「最果て」をリリースしました。彼女は、YouTubeで公開したカバー動画が累計5,500万以上の再生回数を記録、今年4月には作曲家の澤野弘之の全曲プロデュースでデビューした21世紀生まれのシンガー。今作のタイトル曲「最果て」は、TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇』エンディングテーマに起用されております。
 
 さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“SennaRin”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「最果て」にまつわるお話です。TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇』のことだけを思って作詞したというこの曲。どのように歌詞を書き進めていったのか、ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。



ある方に、歌詞の一人称がいつも「僕」だよね。と言われました。
 
意図して「僕」に統一してたわけじゃないけど、確かに。と思いました。以前から、「私自身」じゃない誰かになって文章を書くのが好きでした。口調も、性格も、経験も全部すり替えて。手っ取り早く別の誰かになれる方法が一人称を変えることだから大体「僕」になっちゃうのかなと思います。
 
プロデューサーの澤野弘之さんから楽曲のデモを頂いて、そのメロディーに作詞していくのが基本の制作の流れです。
 
澤野さんとお会いする前は、決まったメロディーに詞をつける作業をしたことがなかったということもあり、不安やプレッシャーがあったのですが、今はそれ以上に作詞をさせていただけることへの嬉しさや、楽曲からイメージを自由に浮かべて言葉を並べていくことに楽しさや幸せを感じています。
 
毎回、はじめてデモを聞く時はワクワクしすぎちゃって、少し挙動不審になってしまうくらいです。一音も逃したくなくて、静かな部屋でいつものヘッドフォンで聴きます。そして、毎回衝撃を受けます。「最果て」では『BLEACH』の世界で歌詞をかかせていただける事が本当に幸せでした。
 
 
 
『BLEACH』のためにかいた曲です。
『BLEACH』のことだけを思って作詞をしました。
 
 
 
普段作詞をする時、タイトルは早々に決めておくことが多いのですが、この楽曲はサビが出来上がってから付け足した覚えがあります。
 
果ての果てのその先へ攫えばいい
 
サビの歌詞にこうあるように、私もこの楽曲の行く末を決めてしまわずに、流れに身を任せて出てきた言葉を大事にしてみようと詞を書き進めていきました。
 
“最果て”という言葉は、今回の配信ジャケットやMVの砂漠のような退廃的で非現実的な場所を思い浮かべるより先に、一護や、斬魄刀、ユーハバッハ、千年血戦篇へ導く全ての“繋がり”を示すのに必要な言葉だと思って浮かべた言葉でした。
 
 
希望か絶望か、
零か無限か、
はじまりか終わりか、
それぞれ違う印象を受け取ると思います。
 
 
どんな人物にも
どんな物語の結末にも寄り添う楽曲でありますように。

<SennaRin>


◆紹介曲「最果て
作詞:茜雫凛
作曲:Hiroyuki SAWANO