ひとりでいる時間は常に歌詞を書いていると言っても過言ではない。

 大阪発のセンチメンタル・ロックバンド“reGretGirl”が、3か月連続で新曲をデジタルリリース!4月6日に第1弾「best answer」、5月18日に第2弾「ダレヨリ」、そして6月8日に第3弾「ハングオーバー」をリリースしました。リリースに伴い、6月から7月にかけて全国ツアー「LOVE×CALL TOUR2022」も開催決定!ツアーは6月16日(木)の東京・Zepp Diver Cityから7月7日(木)大阪・BIG CATまで、計6箇所で行われます。
 
 さて、今日のうたコラムでは、そんな“reGretGirl”の平部雅洋 (Vo./Gt.)による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、自身の作詞・歌詞にまつわるお話です。作詞をする上で大切にしていることや、最近抱いたとある危機感…。ぜひ、新曲の歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。



この度、我々reGretGirlは4月から6月にかけて「best answer」「ダレヨリ」「ハングオーバー」の3曲をリリースいたしました。皆さま聴いていただけたでしょうか。どの曲も“悲恋”の歌であるのですが。中身はそれぞれ異なるものになっています。皆さんに寄り添う“お気に入り”がこの中に有れば幸いです。
 
 
朝起きてコーヒーを飲んでいる時、電車に揺られている時、洗濯物を畳んでいる時、トイレに座っている時、素敵な映画を観た時、大好きな音楽を聴いている時、バンドのライブを観ている時も、ふと思い付いた言葉、文章、「これ歌詞にしよう」と思うもの全てスマートフォンのメモに書き込む。ひとりでいる時間は常に歌詞を書いていると言っても過言ではないのかもしれない。
 
そんな風に僕の生活に絡みつき、伸び伸びと蔦を伸ばすアサガオの様にぐんぐん成長し、歌詞は曲になり綺麗な花を咲かせる。そしてみんなの元へ届くのである。僕の歌を待ってくれている人がいる人生は、とても贅沢で、ありがたく、少し苦しい時もあり、何より喜びに満ち溢れている。
 
 
 
僕の書く歌詞は「君」か「アナタ」に向けた歌が殆どなのだけれど、歌詞や物語などこの仕組みになっているものは数多く存在する。そして言ってしまえば曲を聴いたり物語を読んだりする人たちは、内容と関係のない第三者であるのに、自分と関係のないこの世界に激しく感情を揺さぶられる。
 
勿論僕もこの感覚を度々経験し、過去を思い出したり、未来に憧れたり、時には涙を流したり、勇気をもらえたり、さまざまな思いを馳せた。そして自分が作詞をする上でもずっと大切にしているポイントである。
 
「僕は君が好きだけれど、君は僕が好きじゃない」かなり簡単に言ってしまうと僕の書く歌詞はどれも、この内容しか歌っていないなと可笑しくなった事がある。それと同時にこれだけで何曲も書き、様々なバリエーションを展開してる自分が誇らしく思えた。
 
「未練がましい」だなんだと散々言われるが、ここまでくればむしろ「堂々と清々しい」のではないだろうか(笑)。この“僕が君へ想いを馳せる”だけの小さな世界に、「まるで自分のことを歌われているみたい」と過去に僕が感銘を受けた歌詞に感じた事を言ってもらえるのはとても光栄である。
 
 
そういえば、作詞を何年も続けていて「この手の歌詞しか書かない」と思ったことは無いのだけれど、「この手の歌詞しか書けない」ことに最近気が付き、少し危機感を抱いた。

作詞はもっと自由でいいはずなのに、「もう少しわかりやすい表現をしないと自分らしく無い」とか書く歌詞にNOを言う事が増え、知らないうちに自分で制限やルールを設けていた。だからもう少し肩の力を抜いて「何を書いても僕の歌詞だ」と気を許そうと思う。拘りを持ちつつも「ルールを設けないというルール」で自由に。
 
 
これからも僕は歌詞を書き続けたい。

<reGretGirl・平部雅洋>