私の中では前に進みたい時に支えになってくれるお守りみたいな曲だ。

2021年5月19日に“ネクライトーキー”がMajor 2nd Album『FREAK』をリリースしました。メジャーデビュー作『ZOO!!』以来1年4カ月ぶり、3枚目のアルバム。アニメ『秘密結社 鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~』OP曲の「誰が為にCHAKAPOCOは鳴る」アルバムバージョン、ライブで披露されている新曲「続・かえるくんの冒険」「豪徳寺ラプソディ」「はよファズ踏めや」、アルバムのための新録曲など全13曲が収録されております。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ネクライトーキー”による歌詞エッセイを3か月連続でお届け。最終回を担当したのは、メンバーの中村郁香(Key)です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「夢を見ていた」に通ずるお話。みなさんにも何かずっと諦めきれないことってありませんか? 独りで考え込んでしまった時、このエッセイと歌詞を読んでみてください。

~歌詞エッセイ最終回:「夢を見ていた」~

眠りに落ちる前の暗闇の部屋の中で、いつも答えのでない事を考えふけっている。毎日のルーティンのようにしてしまうこの考え事は、勝手に反省会とでも名付けようかな。今まで生きてきた選択肢で後悔していることはないかなとか。他にもいろいろ。生きるって本当に大変だし面倒くさい。まったく。そんな疲れた気持ちを少しだけ和らげてくれる曲「夢をみていた」について話をしようと思う。

まず最初にお伝えしておくと、私は“2人きりで話す”という当たり前な事が苦手である(例外はある)。とにかく2人だと会話のキャッチボールが早くて困る。そしてちゃんと話を聞かねばと集中すると疲れて眠たくなっていく。別に相手の話がつまらないわけではない。こんな眠たそうな顔してごめんと思っている。そうやって過ごした日の夜は、相手に悪かったなーとか思いながら自己嫌悪という勝手に反省会が開催される。

1人でいればこんなに悩まなくていいのに、と考えてみる時もある。けれども誰かと話しをしたいとも思ってしまう。なにか話すことで相手と分かり合えるんじゃないか、ずっと一緒に時間を共有すれば、2人きりでも平気な人になるんじゃないかなって。実際に3年を経て仲良くなった人もいたので、不可能ではないのだ。単にその人と親密になることを諦めきれないのだ。これも相手に対しての1つの愛だと思う。 

さてこの曲の話をしよう。普段の曲達より音数も少なくて哀愁を感じさせる「夢をみていた」。

残りはどうにも少ない水筒
何年経てどかわらぬままで


自分の中では、この水筒の中身はすり減った自分の気持ちとして考えている。諦めきれなくて空っぽにもできない。でも何年経っても中身を増やせない。ずっとそこから動けないでいるという事。何かを諦める事も続ける事も勇気が要って苦しい時があるよね。人間関係でも音楽でも同じ。

愛さえ無ければ悩まないままで
愛さえあるなら迷っても灯を探して

このフレーズは、少しだけ未来に希望が持てる言葉だと信じている。誰からも思ってもらえていないのであれば簡単に諦めもつく。けれどそこに少しの愛があるのならまだ少し、あと少しだけ進んでみようかなって思える言葉だと思う。実際にこんな話をメンバー内でしないので、歌詞の本当の解釈はわからない。ただこの曲は、私の中では前に進みたい時に支えになってくれるお守りみたいな曲だということ。

<ネクライトーキー・中村郁香>

◆紹介曲「夢を見ていた
作詞:朝日
作曲:朝日

◆Major 2nd Album『FREAK』
2021年5月19日発売
初回生産限定盤[CD+BD] AICL-4053~4 ¥4,800(税抜)
通常盤[CD] AICL-4055 ¥2,800(税抜)

<収録曲>
1.気になっていく
2.はよファズ踏めや
3.大事なことは大事にできたら
4.踊る子供、走るパトカー
5.誰が為にCHAKAPOCOは鳴る(Album EDIT)
6.俺にとっちゃあ全部がクソに思えるよ
7.八番街ピコピコ通り
8.豪徳寺ラプソディ
9.カニノダンス
10.思い出すこと
11.続・かえるくんの冒険
12.Mr.エレキギターマン
13.夢を見ていた