女子のわがままな感情と、気持ちをグッと堪える強さを歌詞にしました

 2021年4月29日に“武藤彩未”がデジタルシングル「今夜のキスで忘れてほしいの」をリリースしました。80年代のシティ・ポップ×現代J-POPを融合させた爽快なシティ・ポップチューンに初挑戦。作詞作曲は、TikTokで異例の270万投稿された #kiminotoriko で話題の「summertime」の作曲家、evening cinema・原田夏樹が担当。歌詞には、恋人の元カノの影を嫌がりながらも、強がって気にしないふりをする女性の恋心が描かれております。

 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った武藤彩未による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「今夜のキスで忘れてほしいの」のお話。楽曲面、歌詞面の制作過程をそれぞれ明かしてくださいました。みなさんも自分の恋人の“元カノや元カレの存在”がどうしても気になってしまうことはありませんか…? 是非、エッセイを歌詞と併せてお楽しみください。

~歌詞エッセイ:「今夜のキスで忘れてほしいの」~

前回のリリースに続き、今回も歌ネットさんにて、新曲のコラムを書かせていただくことになりました。4ヶ月ぶりのリリースになる新曲は「今夜のキスで忘れてほしいの」です。25歳の誕生日にリリースだったので、曲も歌詞もより大人になった私をお見せできたらと思い、意識しながら作りました。

私が歌い始めたのが小学生6年生なので、その頃からそんなに経つのかと、自分でも驚いています。昔から応援してくださっている方もいたり、新たに出会ってくださった方もいます。そんな大切な皆さんに送る、私の今の全てを注いで作った1曲になったと思います。

楽曲は、引き続き“レトロポップ”をコンセプトに、私が大好きな昭和歌謡を活かしつつ、懐かしさと今のポップスが融合した音、皆んなに愛される音を作りたいと思いました。とくにシティポップは今とても注目されていて、海外で流行っていたり、若い世代の間でも聴かれていたりということもあり、そのサウンド感を参考にしながら作りました。私も普段からシティポップをかなり研究しているので、メロディやサウンドにもこだわりながら楽曲制作を進めていきました。

今回、曲を提供していただいたのは、evening cinemaの原田夏樹さん。初めてご一緒させていただきましたが、TikTokで大流行した「summertime」をよく聴いていて大好きだったので、今作にぴったりの方だと思い、お願いしました。

原田さんも80'sが大好きで、私のやりたいことをすぐに理解してくださり、出来上がったデモを聴かせていただいたときはただただ感動でした!!まずメロディが素晴らしくて、1度聞けば癖になるキャッチーさ。すぐに口ずさんでいました。キラキラ感も爽やかな感じもこれから始まる夏にぴったりで、ギターのリフだったり、ベースのラインはまさに求めているものでした!

そんな最高な曲に、今回も私が歌詞を乗せることになり、どんなことを書こうか考えていた時、ちょうどリアルタイムで友人から恋愛相談を受けました。その時の相談内容が“元カノの存在”でした。

まだ彼氏が元カノと連絡を取っていることを知ってしまった彼女は、それ以降気になって仕方ないし、不安になったり、疑ってしまったり。こんな思いをするなら、別れたい!とすら言っていました。

確かに初恋じゃない限り、誰にでも元カノや元カレの存在はありますよね。過去は消せはしないし、気持ちが戻らない確信もない。そんな女子のわがままな感情と、気持ちをグッと堪える強さを歌詞にしました。元カノの存在が気になり、複雑な感情を抱きながらも、勇気と強さを持って彼に会いに向かっている途中。だから、心の中で相手に話しかけているような、自分に言い聞かせているような、言葉を選んでみました。

歌詞の中に<上書き保存はリップグロスで>というワードがあるのですが、一般的に女子は過去を上書き保存するのが得意と言われています。だけど、気にすることもあるという想いを表現できたらと思ってこのワードを入れてみました。そんな女の子の複雑な気持ちに共感していただけたら嬉しいです!

歌詞はまだまだ自分の課題ですが、毎回挑戦して、いつか松本隆先生のような歌詞を書けるように、引き続き頑張ります!!!

ということで、今回は楽曲制作過程についてお話しさせていただきました。是非このエッセイを読んでくださった後に楽曲をもう一度聴いていただきたいです!!よりキラキラ度が増して、共感していただけると思います!老若男女愛される1曲になりますように。

<武藤彩未>

◆紹介曲「今夜のキスで忘れてほしいの
作詞:武藤彩未・小倉祐人
作曲:原田夏樹