坂口有望

あなたの思い浮かべるクリスマスの歌はきっと隣の人とは違うはず。

 2020年11月4日に“坂口有望”がニューシングル『セントラル』をリリース!タイトル曲は、TVアニメ『BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-』ED曲として書き下ろされた1曲です。儚さと力強さを併せ持った歌声で彩られ、柿澤秀吉(秀吉)による疾走感溢れるアレンジも魅力のシリアスロックチューン。また、コロナ禍をテーマにしたEDMナンバー「2020」、寒くなる季節にぴったりのセンチメンタルなバラード「クリスマスエレジー」、2曲のカップリングにも注目…!
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“坂口有望”による歌詞エッセイを、3ヶ月連続でお届けいたします!今回は第1弾第2弾に続く最終回。綴っていただいたのは、新曲「クリスマスエレジー」にまつわるお話です。今年も近づいてくるクリスマス。ぜひ、それぞれの“クリスマスに好きな人に会いたい”想いを重ねながら、エッセイと歌詞を読んでみてください…!

~歌詞エッセイ最終回:「クリスマスエレジー」~

エッセイ第三弾、早くも最終回となってしまった。

本題に入る前に、この3回にわたるエッセイ執筆で「言葉を綴る」ということに、改めて向き合えたことを感謝したい。わたしの楽曲制作において、原点にあるのは歌詞だ。前回のエッセイ「2020」にも記したように、わたしは言葉にこだわりを持っていて、他人と同じ気持ちを抱いていても「違う言い回しで表現したい」という思いが常にある。

インタビューなどで「作詞において意識していることは何ですか?」と聞かれる時、わたしはよく「オブラート」の話をする。といっても、粉薬を包む薄い膜それ自体の話ではない。何か言いづらいことを回りくどく仄めかすことを、人は「オブラートに包む」という言い方をする。わたしはこの表現を最初に使った人を天才だと思う。会って話を伺いたいものだ。今や慣用句のように誰もが使う、確立した日本語となっているが、きっと日本語を勉強中の外国人学生が「オブラートに包む」を習う時、わたしと同じ感動を覚えるのではないだろうか。わたしはその「オブラートに包む」級の、的を射た新たな表現を追い求めてきた。

まさにクリスマスソングとは、ありふれたテーマであり、オリジナルな表現が求められる絶好の機会だった。あなたの思い浮かべるクリスマスの歌はきっと隣の人とは違うはずである。それくらい、多くのミュージシャンが数々のクリスマスの名曲を生み出してきた。

TVアニメBORUTOのために書き下ろした「セントラル」を収録したシングルが、11月タイミングでのリリースに決定した頃、クリスマスソングを入れようというアイデアが持ち上がった。ちょうど暖かくなり出した春に、冬の曲を書き始めたのだ。東京の中で、わたしの1Kの部屋だけにクリスマスソングが流れているんだろうなと思いながら、色んなクリスマスソングを聴いた。伝えたい気持ちはみんな「クリスマスに好きな人に会いたい」で同じはずなのに、歌詞、歌う人、浮かぶ景色によって十人十色である。

じゃあわたしはシチュエーションで、どんなクリスマスを描こうかと考えた時に、真っ先に思い浮かんだのは表参道のイルミネーションの並木道だった。去年の12月、わたしは表参道に用事があってそのカップル通りを一人そそくさと歩いた。お洒落なお店のショーウィンドウに映る自分が少し惨めだったのを覚えている。そんな苦い思い出が、皮肉にも役に立った。そうして出来た曲が「クリスマスエレジー」だ。実際にわたしが見た景色、経験が元になった分、この曲はリアリスティックな世界に仕上がったと自負している。

そして今、TikTok上でこの曲を使ったある動画を投稿している。さらにイメージが湧くような、いわば擬似デートシリーズだ。お台場や横浜の夜景をバックに、わたし自身が出演し、なぜか見終わった後にはわたしと破局したような切ない気持ちに襲われるかもしれない(笑)。是非、あなたのクリスマス映像も合わせてみてほしい。ここ一週間で、急に気温も下がり、街は段々と眩しい灯りで彩られている。今年のクリスマスは、あなたの傍に「クリスマスエレジー」がありますように。

<坂口有望>

◆紹介曲「クリスマスエレジー
作詞:坂口有望
作曲:坂口有望

◆ニューシングル『セントラル』
2020年11月4日発売
初回生産限定盤 ESCL-5448~49 ¥2,000(tax in)
通常盤 ESCL-5450 ¥1,300(tax in)
期間生産限定盤 ESCL-5451~52 ¥2,000(tax in)

<収録曲>
1.セントラル
2.2020
3.クリスマスエレジー
4.セントラル -TV Size-(期間生産限定盤のみ収録)
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