私の気持ちに気づいてほしくて貴方の缶ビールを溢した。

 この3月に高校を卒業した“Karin.”が2020年5月22日に新作『君が生きる街 - ep』をリリース。今作には"皆それぞれ進む新しい道で、私が誰かの気持ちに寄り添えるようになりたい”という気持ちを込めた「君が生きる街」を含む新曲3曲に加え、口コミで広がり注目を集めた「青春脱衣所」の弾き語りが収録。

 高校を卒業し、さらに飛躍を遂げるであろう彼女の歌を是非、ご堪能ください…!さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“Karin.”による歌詞エッセイを2日連続でお届けいたします。今回はその【Part 1】です。綴っていただいたのは、今作『君が生きる街 - ep』全体に通ずるメッセージ。あなたにも、離れても時を経ても忘れがたい、そんなひとっていませんか…?

~歌詞エッセイ【Part 1】~

真っ白な貴方を追いかけた

私は強くないから
夜に1人 独り 哀しくなって
錆びたギターを弾いて感情を押し殺した

その曲たちは誰に届くこともなく
携帯の中に1人 独り 消えてゆく

これは私しか知らない君との物語


哀しみも、痛みも、全部自分のもの
感情が溶けると、あの日の自分に戻れる気がした

私の気持ちに気づいてほしくて貴方の缶ビールを溢した
潰れた空き缶が、怖いくらい私に似ていた

物に当たらないと何も表現できない私は孤独で
あの時から何も変われていないのね
なんだか寂しくなってしまった

誰もいない真夜中は私の存在には気づかないから好きだ

でもそんな夜も私を置いて朝になってゆく
私を照らさないで
強くなれるまで

深く、深く、深く 眠りにつく


貴方に夏を奪われた
それは蒼い蒼い夏

苦手だった夏は何故か心地良くて好きになったのに
君 貴方はもう変わっていて別人みたいだった

貴方との時間に私は置いていかれた
貴方の優しさは貴方の為にあって
私の為に使うものではないよ

眩しい光が 照らす、照らす、照らす


暗い暗い夜は何事も無かったかのように朝になる

いつか「そんな日もあったね」と笑えるようになりたい
遠い空、嫌になるくらい暑い夏に
貴方が言った

「知らない方が良いこと、それが正義だ」と
正しいことを人は「正義」だと認識する

もう愛せなくなったこの気持ちは何処へ行けばいい?
何処へ流れていくの?


誰かを傷つけてしまうくらいなら、
私が嫌われてほしいと思う時がある

時々、自分のことを見失ってしまう
それが怖くて夜を嫌い、朝を拒んだ

それでも、この世界には美しいものばかり
それなのに気付かない私は
きっと今まで俯いていたから


世界はそんなに貴方を責めたりしない

だから貴方は貴方のままでいてね

<Karin.>

◆新作『君が生きる街 - ep』
2020年5月22日配信リリース

<収録曲>
1. 君が生きる街
2. はないちもんめ
3. 痛みがわかれば
4. 青春脱衣所 -弾き語り-

【配信リンク】

「君が生きる街」Lyric Video

「痛みがわかれば」Lyric Video