木村カエラ

増えたシワの数も、小さな声で耳打ちをして。

私はどこに流れてもいいんだ。
そこでいいふうにしていくから
そしてどんどん思い出を作り続ける。
それで、死ぬときは、持ちきれない花束みたいな
きれいなものを持っていくの。
(よしもとばなな『海のふた』より引用)


 みなさんは、年を取ることって「楽しい!」と思いますか? それとも「嫌だなぁ…」と思いますか? 容姿や体力が衰えていくのを実感すると、つい後者になってしまいがち。でもきっと、冒頭でご紹介した言葉のように、生きるとは『思い出を作り続け』て『持ちきれない花束みたいなきれいなもの』を増やしていくことなのではないでしょうか。
 
 そう考えるとなんだか、年を取るのも悪くないと感じられてきますよね…! さて、今日のうたコラムでは、わたしたちがより楽しく、気持ちよく、カッコよく、年を重ね生きていくためのパワーを与えてくれる楽曲たちを、ご紹介いたします。まず最初にオススメしたいのは、2019年7月31日に“木村カエラ”がリリースした新曲です。

おばさんになったこと
泣けない日が増えたこと
自分より大切なものができたこと
治りの遅い傷や
時に唄い出す身体
今しかないわたしを
わたしで抱きしめて
Continue」/木村カエラ

 ニューアルバム『いちご』の収録曲であり、作詞作曲は“あいみょん”が担当。テーマはまさに“年を取ること”でしょう。歌詞には、様々な自身の変化が綴られております。たとえば<おばさんになったこと>。それは<おばさんになった>自分を受け入れられた証であり、さらに<おばさんになった>と胸を張って言えるようになった証でもあり。

 また<泣けない日が増えたこと>は、大人ならではの忙しさや疲れによって、悲しみや悔しさが涙になることができない現実を表しているのかもしれません。ただ一方で<自分より大切なものができた>からこそ“強くありたい”という想いが生まれ、それが“<泣けない>=泣かない”という意志に繋がっているようにも思えます。

ねぇ わたし 昨日のわたし
無理して笑ったその理由を教えてよ
ねぇ わたし 昨日のわたし
増えたシワの数も
小さな声で耳打ちをして
わたしに知らせて
生きてる証を
Continue」/木村カエラ


 そして<増えたシワの数>もまた“年を取ること”の象徴です。思い切り笑って、思い切り怒って、感情が動いた分だけ、シワは増える。その<増えたシワの数>こそ『持ちきれない花束みたいなきれいなもの』だと言えるのではないでしょうか。だからこそ<わたし>は、心身のあらゆる変化を<生きてる証>として愛おしく思っているのです。愛おしい<生きてる証>をひとつも見過ごしたくないのです。
 
 容姿や体力が衰えていく変化さえ、おもしろく捉えらることができたなら、生きていくことってどんどん楽しくなってゆく気がしますね。では、ここからはさらに、木村カエラ「Continue」と同じく“年を取ること”をテーマにした楽曲を一挙、ピックアップ…!

10代 憎しみと愛入り交じった目で世間を罵り
20代 悲しみを知って
目を背けたくって 町を彷徨い歩き
30代 愛する人のためのこの命だってことに
あぁ 気付いたな

季節は過ぎてそれぞれの空 オマエこの頃 何想う
俺たちの明日」/エレファントカシマシ

10代 愛とは
互いにじっと見つめ合うことで

20代 愛とは
同じものを好きでいることでした

30代 愛とは
それを続けるための努力で

そして今 愛とは
違いを愛しく感じることだと思う
20年目の手紙」/平松愛理

一年が過ぎるのが やけに早く感じて
「歳かなぁ」なんて自嘲したり
手つかずの夢があったり

恐いものなんて 今よりずっとなかった
二十代のあの情熱とは 今は違うけど

憧れたものには もうなれないとしても
この道を歩いてみよう 旅を続けよう
何度でも花が咲くように私を生きよう」/福山雅治

気がつけば五十路を 越えた私がいる
信じられない速さで 時は過ぎ去ると 知ってしまったら
どんな小さなことも 覚えていたいと 心が言ったよ

I say it's fun to be 20
You say it's great to be 30
And they say it's lovely to be 40
But I feel it's nice to be 50
人生の扉」/竹内まりや

自分がこんな年になる
日が来るなんて思わずに来た
自分はいつまでも元気で
何でも出来ると信じ込んでた
50を過ぎた友人に
どんな気持ちか聞いたときに
出来ることと出来ないことが
わかるから楽しいと笑ってたっけ

どんなに願ったところで
好きなことは好きで嫌なことは嫌だ
自分の行きたい場所に行こう
正しくても間違っていても
朝が来るよ」/槇原敬之

 10代、20代、30代、40代、50代、60代…。どの歌詞からも、その時々の“環境”があり、その時々の“信念”があり、その時々の“自分”がいることがわかります。そして、いろんな変化を経た上で、現在の自分が何を大切にしたいのかという想いもまっすぐに伝わってきますよね。年を取ることって楽しいかも。そう思わせてくれる楽曲たちです。
 
 いつか“おばさん”や“おじさん”になったとき。もし、自分より若い世代の子に「年を取ることって楽しい?」と訊かれたなら、胸を張って「楽しいよ!」と答えられる大人でありたいですね…!この記事を読んでいるあなたも<生きてる証>を存分に味わいながら、健康に年を重ねてゆくことができますように。
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