作詞家をはじめ、音楽プロデューサー、ミュージシャン、詩人、などなど【作詞】を行う“言葉の達人”たちが独自の作詞論・作詞術を語るこのコーナー。歌詞愛好家のあなたも、プロの作詞家を目指すあなたも、是非ご堪能あれ! 今回は、音楽ユニット・Soulifeのボーカル、ギター、作詞作曲を担当。King & Prince、M!LK、家入レオ、など数多くのアーティストに楽曲提供も行なっている
河田総一郎(SoichiroK)」さんをゲストにお迎え…!
河田総一郎(SoichiroK)
代表作
作詞論

声やメロディーやサウンドを通して、ありそうでなかった言葉の組み合わせを発明することに近いのかなと思います。僕の場合、作詞作曲の両方を同時にすることが多いので、ギターやピアノを弾きながら自分の声で歌ってみて、その時に湧き上がってくる感情や感動(グッとくるかどうか)も大切にしています。
[ 河田総一郎さんに伺いました ]
  • Q1. 歌詞を書くことになった、最初のきっかけを教えてください。

    もともと国内外の様々なシンガーソングライターの楽曲を聴いて育ったので、曲を作る=作詞作曲の両方行うものというイメージがあり、迷いなく作詞していました。“Soulife(ソウライフ)”というユニットとしてアーティスト活動を経て、その後、相方と一緒に作家の世界へ飛び込みました。当初は楽曲のみの採用がほとんどでしたが、少しずつ歌詞も一緒に採用いただけるパターンが増えていき、今ではありがたいことに作詞作曲とは別に、作詞だけというオーダーもいただけるようになりました。

  • Q2. 歌詞を書く時には、どんなところからインスピレーションを得ることが多いですか?

    本や映画、日常会話、ネットや動画で見かけた出来事、言葉などあらゆるものからです。インスピレーションとは少し違いますが、一緒に作曲をするコライティングキャンプや作家同士の交流会などで出逢った作家さんの作品にも刺激を受けたりします。そういう感動やある種の悔しさも創作への起爆剤になることもあるように思います。

  • Q3. 普段、どのように歌詞を構成していきますか?

    100%サビから作ります。ドラマやCMタイアップ曲が大ヒットを生み出していた世代の音楽で育ったので、サビの掴みの15秒が勝負だと信じ込んでいます(笑)。

  • Q4. お気に入りの仕事道具や、作詞の際に必要な環境、場所などがあれば教えてください。

    歌いながら歌詞を書くことが多く、ギターやピアノがそばにあってほしいので自宅スタジオが一番好きです。コーヒー用のマグカップは地元岡山で買った陶芸作家さんの備前焼で、15年くらい使っていて、これを使うと仕事が捗ると言い聞かせています(笑)。

  • Q5. ご自身が手掛けた歌詞に関して、今だから言える裏話、エピソードはありますか?

    J☆Dee’Z(Jewel)の「Answer」という曲で作詞作曲を任せられた時、制作ディレクターさんに「河田くん自身のアーティスト時代の経験や苦かったり、悔しかったりした想いを全部重ねて、この歌詞に詰め込んでみてほしい」と言われ、「作詞って、自分の人生のそういう側面まで引き出す仕事なのか」とすごく背中を押され励まされた反面、本当に苦しくて、何なら曲のこと嫌いになりながら書いたのを覚えています(笑)。でも、だからこそ、今でも大切な作品のひとつです。

  • Q6. 自分が思う「良い歌詞」とは?

    読み物としても楽しめる歌詞。また感情やシチュエーションの“あるある”のようなものを、「あれってそんなふうに言語化できるのか!」って気づかせてくれる歌詞も好きです。

  • Q7. 「やられた!」と思わされた1曲を教えてください。

    やられた!なんておこがましくてとんでもない話なのですが、、、
    大好きで、憧れの松本隆さんの歌詞「いつか晴れた日に」/山下達郎
    詩的で叙情的なのに、最高にポップス。まさに奥義みたいな作品だなと思います。
    いつかこんな歌詞を書いてみたいです。

  • Q8. 歌詞を書く際、よく使う言葉、
         または、使わないように意識している言葉はありますか?

    やがて自分がいなくなっても未来に作品は残るので、その場限りのインパクトやトゲだけを狙った言葉遣いや、ダーティーすぎる感情表現は避けたいなと、なんとなく心の奥で思っています。

  • Q9. 言葉を届けるために、アーティスト、クリエイターに求められる資質とは?

    クリエイターの端くれの立場から言わせていただくとしたら、「忘却力」が大事だと思っています。100%全力を注ぎ切った作品であっても、いざ出来上がったらその曲の行方(採用か不採用か)にいつまでも心を砕くのではなく一度忘れて、また次を作り始めます。(たとえどんなに思い入れが強い作品であっても、忘れるフリをしてでも心の本棚に戻します。)

    この「忘れる力」、「執着の手放し方」が、特にこの大コンペ時代には必要だなと強く感じます。それに、そうやって本棚に戻した作品が何年も経ってから必要とされたり、思いもよらずスポットライトを浴びたりすることも、この世界ではしばしばあります。

  • Q10. 歌詞を書きたいと思っている人へのアドバイスをお願いします。

    自分の言葉や想いを信じて、ぜひたくさん書いて、たくさん作詞体験を増やしてください。必ず磨かれてゆきます。いつかお仕事でご一緒しましょう!

歌 手
ファントムシータ
タイトル
輪廻る(meguru)
この曲も、ギターを弾き語りながら作りました。イントロサビの歌い出し<君と今世も 君と来世も きっと恋していたい>というフレーズがメロディーと一緒に浮かんだ時に「できた!」と叫んだのを覚えています(本当はそこからが大変なんですが。。汗)。プロデューサーのAdoさんから、“『闇堕ち』の反対、『光堕ち』ソングを”というユニークなオーダーでしたが、彼女たちの高い歌唱力や表現力にも助けられ、新鮮な気持ちで作詞作曲と向き合うことができました。自分としても新境地を拓けた作品です。ぜひ、ファントムシータの唯一無二の世界観と共に楽しんでいただきたいです。

岡山県倉敷市出身7月16日生まれ
音楽ユニットSoulife(ソウライフ)のボーカル、ギター、作詞作曲を担当。
筆名:SoichiroK、K-WONDER、Soichiro Kawata

ギターやピアノで歌いながら作るトラディショナルなスタイルでの作詞作曲を得意としている。音楽ユニットSoulifeとして2011年 遊助「一笑懸命」(作曲・編曲)で作曲家デビュー。2015年 Little glee Monster 「Happy Gate」(作詞・作曲・編曲)、Flower「さよなら、アリス」(作曲)、2016年 欅坂46「二人セゾン」(作曲・編曲)、2018年 King & Prince「シンデレラガール」(作詞・作曲)、2024年 M!LK「Kiss Plan」(作詞・作曲・編曲)などの代表曲を持つ。

2024年より音楽作家事務所SikaMusic(シイカミュージック)の代表を務め、次世代作家の育成や交流を通じて
「長く愛される楽曲」を目指して自身も作家活動を続けている。
社名の『Sika Music=シイカ ミュージック』は日本語の “詩歌(しいか)”からインスパイアされている。
「言葉を大切に。音楽は歌詞によって深まり、語られ、広まってゆくものだ」という想いが込められている。

INFORMATION
作家募集
音楽ユニットSoulifeが運営するSikaミュージックでは、新人クリエーター、アーティスト、ボーカリスト、トラックメイカーを随時募集しています。あたらしい出逢いお待ちしています。ご応募はコチラから