Q)ヒットするには、作曲者、作詞者、編曲者、歌手の奇跡のようなタイミングで出会いが必要です。ヒット曲は数多くありますが、「木綿のハンカチーフ」ほど、時代を超えて長年愛されている曲は多くないです。実際、「歌ネット」の歌詞検索でも、「歌手名=太田裕美」でも、「作詞者名=松本隆」でも、「作曲者名=筒美京平」でも、人気順に並べると、いずれも「木綿のハンカチーフ」が1位になることが多いです。なぜ、そこまで愛されていると思われますか?
う〜ん…、それは、わかりませんね〜。でも、たとえば、太田裕美のじゃなくて、椎名林檎ちゃんが歌ってくれたのを聴いて好きになってくれた人もいるし、最近だと、いきものがかりさんを聴いて好きになったって人もいるから、私の声だけじゃなくて、やっぱり楽曲の良さなんだと思うんですよね〜。

Q)たしかに、「木綿のハンカチーフ」は、たしか40組以上のアーティストにカバーされ続けています…。でも、椎名林檎さんも、いきものがかりさんも、最初は太田裕美さんの歌声で聴いて好きになっていると思いますが…
それはそうなんですけど…。あと、39年前に作られた曲なんですけど、古臭さを感じないですよね。松本さんの詞も、その時代の言葉が出てくるから、そういう意味では時代を感じることはあるけど、やっぱり普遍的なテーマでもあるから、古臭さを感じないんですね。あと曲も、ちょっと筒美先生っぽくないんですよね〜。さっき言ってたような、「また逢う日まで」とか「魅せられて」とか、ああいう感じの曲とはちょっと違うじゃないですか。筒美先生にとっても「木綿」は、かなり冒険的に作られたんじゃないですかね。

Q)「木綿のハンカチーフ」は、松本隆さんの歌詞が先にあって、それに筒美京平さんが曲を付けています。筒美さんも、コーラスごとに男女が入れ替わるし、しかも4番まである大変な詞が来ちゃって、最初は「こんな歌詞に曲は付けられない…」と思われたそうですね…
そうそう、見たこともない形のものが来たからね…(笑)。そういう意味では、もともとは、アルバム用に作られた1曲だったので、「大ヒット曲を作る!」っていういつものポジションよりも、ちょっと気がラクじゃないけど、挑戦的に作られた特別な曲でもあるのかもしれませんね。

Q)たしか…何かのインタビューで、筒美京平さんが、ご自身の選ぶ「ベスト3」として、「さらば恋人」「また逢う日まで」「木綿のハンカチーフ」の3曲をあげていらしたような記憶があります…筒美さんにとっても大切な曲なんですね…
そうですね、たぶん…。ちょっと特別な想いはあるんだと思います。

Q)そもそも、「木綿のハンカチーフ」は、1975年12月5日に発売された3枚目のアルバム「心が風邪をひいた日」収録の1曲で、評判が良かったから、すぐにシングル用に録りなおして、同年12月21日に4枚目のシングルとして発売されています。アルバムバージョンの「木綿のハンカチーフ」と、シングルバージョンの「木綿のハンカチーフ」では、1か所だけ歌詞が違います。3コーラス目の頭が、もともとは「君は素顔で…」だったのが、シングルでは「いまも素顔で…」に変わっています。歌詞が違うのは、そこだけですよね…
はい。そこだけです。あと、アレンジが、ちょっと華やかになっています…。

Q)たった3文字の違いですけど重要ですね。「いまも」にすれば、「君は」と言わなくても、「いまも君は…」という意味になりますからね…
そうですね〜。

Q)オケから歌まで全て録り直されていますが、一度、アルバムで歌っている同じ歌を歌い直すということで、「今度はこう歌おう」とか考えていたのですか? 当時、どういう気持で歌われたのでしょう…?
そのへんはね…、あんまり考えてなかったですね…。とにかく、「アレンジがハデになったな〜」っていうのと、「へぇ〜この曲がシングルになるんだ…」って感じで…、正直、あんまり考えてなかったですね…(笑)

Q)でも、歌のイメージは、アルバムとシングルでは違いますね。アレンジも歌も、どちらが良いということもないのですが…
そうですか…? いや…、だから、たぶん…、「木綿のハンカチーフ」が好きっていう人の中で、私が一番聴いていないのかもしれないですね…。シングルとアルバムバージョンとの聴き比べとかしてないですもんね…(笑)。だから、たぶん私が一番聴いてなくて、違いとかは、私が一番わかってないのかもしれない。

 


Q)歌声の印象が、以前とほとんど変わっていません…。とても個性的で魅力的な歌声だと思いますが、もともと、ご自身では、ご自身の歌声をどう思っていらしたのですか?
いや〜、その〜、最近よく言ってるんですけど、中学1年の時に、クラスの友達のオカモトさんに…、女子校だったんで、女の子だったんですけど…、「太田さんてヘンな声よね〜」って言われた時から、「ああ…自分はヘンな声なんだ…」って思ってたんです。でも、実際、喋ってて自分で聞いている声が、そんなにヘンな声だとは自分では思っていなかったんですけど…。

Q)そりゃ、自分の声ですもんね…
はい。ただ、高校はクラシックの学校に行ったんですけど、明らかに、イタリアンオペラだとか、あっちの方の歌を歌っても合わないんですよ。まあ、私は巻き舌が出来なかったこともあるんですけど…。だから、日本歌曲を歌ってたんですけど、その方が、何か自分の声に合ってるなあ〜って思ってて、クラシック系の声ではないんだろうなとは思っていました。自分の中では、自分の声が好きとはずっと思えていないと言うか…。

Q)今もですか?
う〜ん、今は、自分の声が好きだとかなんとかいうよりも、「もうこの声だから…」っていう感じですね。私が聴く側で好きな声っていうのは全然違っていて、たとえば、シャーデーとか、ローリン・ヒルみたいな、ちょっとアルト系のかすれてるハスキーな声がすごい好きなんです。あと、サラ・ブライトマンみたいな、ああいう美しい声も好きで、やっぱり、自分にないものを求めているみたいですね。ただ、すごく第三者的に冷静に聴いた時に、やっぱり、私と同じ声の人がいないので、そこはいいかなと思っています。

Q)そうなんですよね…、後にも先にも、太田裕美さんの声に似た人っていないんですよね…。街で流れてても、すぐにわかります…
コマーシャルソングで名前が出ていなくても、「あの歌は…太田裕美さんですか…?」ってよく言われたりもしました。そうですね…、だから、歌手としては、特別にプラスなことなので、それは良かったなとすごく思いますね。

Q)高校は声楽科に行かれていたとのことですが、なんだか想像つかないですね…。その後、スクールメイツにもいらっしゃいましたが、それも、あまりイメージになかったです…。しかも、そのスクールメイツに入った動機が、「歌手になりたかったから」ではなく、「沢田研二さんに会いたかったから」というのは本当ですか?
はい、それはもう…本当に動機が不純で「ジュリーに会いたい」ってそれだけだったんです。中2、中3の頃は「グループサウンズ命」で、その頃、オックスなんかも聴いていたんですけど、とにかくタイガースが大好きだったんです。当時、まだ将来のことなんて全く考えていなくて、たまたまピアノを弾いていたので、普通の学校よりも音楽の学校に行ってみたら面白いんじゃないかってことで、クラッシックの学校に行ってたんです。そういうノリでいたので、将来音楽で身を立てるとかは、全く考えていなくて、だから、スクールメイツに入った時も、渡辺プロの傘下だったので、「ここに入ったらジュリーに会えるかも…」ってそれだけで入っちゃったんですよね。

Q)じゃあ、歌手になりたいって思われたのはいつですか?
それはもう…本当にデビューするてことになった頃ですかね…。「歌手になりたい」って言うよりも、「歌手の道しかない」って感じだったと思いますね。「歌手になる」ってことが、その頃、考えられる一番身近な課題っていう感じで、「歌手になりたい!」って感じではなかったんですよね。だから、デビューしてからも、ずっとプロ意識っていうのは全くなくて、「お化粧するのめんどくさ〜い!」みたいな感じで仕事してた感じですからね。


Q)スクールメイツのあと、デビュー前に、銀座のライブハウスに弾き語りで出られていましたが、事務所から言われて始められたのですか?
ええ、「やってみない?」って感じで…。とにかく、ピアノを弾いて歌うのは楽しかったので。

Q)その頃は、何を歌われていたのですか?
ピアノを弾いて歌っていた時は、カンツォーネの曲とか…。

Q)えっ!カンツォーネですか〜?
はい、まあ、可愛い系ですけど…、「夢のカーザビアンカ」とかね。あとは、かぐや姫の歌とか、拓郎さんの歌とか、陽水さんとか、森山良子さんとか、フォーク系の曲が多かったですね。

Q)当時、スクールメイツには、後にキャンディーズとなる伊藤蘭さんや、田中好子さんらもいました。巷でよく言われている、「もしかしたら太田裕美さんが、4人目のキャンディーズになっていたかも…」というウワサは本当ですか?
いえ、それは全くないですね…。ないと思います。

Q)そうですよね…。たまたまスクールメイツで一緒だったっていうだけで、きっと誰かが勝手に言いだしたんですね…
そうだと思います。当時、番組のアシスタントのオーディションとかがよくあって、大勢で行かされてたんですよ。で、たまたま、あるNHKの番組のオーディションには、実際に一緒に行ったんです。その番組で、あとでキャンディーズになる3人が選ばれたんです。私はそのイメージではなかったから選ばれなかったっていう感じで…。

Q)まあ、じゃあ、「可能性はあった…」くらいのことですね…
私がそこに入っていたら、その番組の終了とともに解散で、キャンディーズってグループになっていなかったかもしれないですしね(笑)。たまたま、同じ時期で、いろんなところに一緒に行ってたってだけで、まあ…「100%なかった」とは言えないかもしれないけど、もしかしたら、万が一…、キャンディーズに入ってたってことも、ないこともないかもしれないけど…、それは本当にわかんないですね…。

Q)そうですよね…。ところで、NHKの「ステージ101」を見ていましたけど、そこに太田裕美さんが「ヤング101」として出ていたなんて、ずいぶん後から知りました。デビュー後の弾き語りのイメージを思うと、歌って踊るようなそういうタイプのイメージの方ではなかったので、後から知って驚きました…。少し前に、NHKのBSで「ステージ101」の最終回を放送したことがあって、それを見ていたら、たしかに出ていらっしゃるのを発見しました…
最終回しか残っていないらしいんですよね。その頃は、全部、収録テープを消してたじゃないですか…。

Q)番組の最後、「涙をこえて」を全員で歌うシーンでも、上手の前の方で、元気に歌いながら踊っていらっしゃいました…
ホントですよね〜、ビックリですよね〜(笑)。

Q)ご覧になられました?
ええ。あれは、もう何度も放送されているんで…。

Q)どう思われました?
いや〜「若かったなあ〜」って…(笑)。



Q)筒美京平さんが作曲した「木綿のハンカチーフ」は、松本隆さんの作詞ですが、実は、デビュー曲の「雨だれ」から、「赤いハイヒール」「しあわせ未満」「九月の雨」「ドール」など、アルバムを含め太田裕美さんの初期の作品のほとんどを、このお二人のコンビが手掛けていらっしゃいます。松本隆さんにとっても、「はっぴいえんど」や「ムーンライダース」の活動後、本格的な歌謡曲の作詞家としての出世作が、アグネス・チャンさんの「ポケットいっぱいの秘密」と、太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」です。松本隆さんは、太田裕美さんにとって、どんな方ですか?
そうですね…、松本さんが、本当に全身全霊で歌詞を手掛けてくれた最初の歌手が、太田裕美じゃないですか。それこそ、本当に心を削って書いてくれているような詞が、ものすごく多いと思います。

Q)そうですね…、最初に太田裕美さんを手掛けられたから、後の、松田聖子さんの「赤いスイートピー」などの歌詞になっていった気がします…。「木綿のハンカチーフ」も「赤いハイヒール」も、ファンの間では人気の「ピッツア・ハウス22時」も、コーラスごとに男女の立場が入れ替わる独特の形式になっています。ファンタジーで小説のような世界なのですが、その中にすごいフレーズが入っていたりして、たとえば、「ピッツア・ハウス22時」なら、「そう言いかけてやめたのは… スプーンに映るぼくも歪んで見えたから…」とか…
そうですね。プロの作詞家の詞をちゃんと初めて読んだのが松本さんの詞だったので、最初から、ものすごく濃い〜世界を見せられてしまった気がします。だから、そういう意味では、ちょっと軽めな詞だと、いろいろ文句つけたくなっちゃうような…(笑)。「それ…ちょっと甘いんじゃない〜?」とかね…(笑)。

Q)ハードルが上がっちゃったんですね…
ものすごく上がりましたね。

Q)ご自身でも作詞をされますが…
自分には甘い!(笑)

Q)いやいや、そんなことはないですけど…、太田裕美さんが作詞された「僕は君の涙」とか好きですけど…
あ〜、あれは、よく出来たほうですね…(笑)。

Q)あと、「初めてのラブレター」とか…
ふふふ…(笑)。まあ、あのへんは、自分がちょっと大人になってから、いろいろな経験をしてから書いている詞なので、まあ、いろいろ、人の心の機微とかがわかるようになってから書いてますからね…。でも、松本さんは、出会った頃、24〜5歳でしょ…、すごいですよね。て言うか、歌詞は、その前の「はっぴいえんど」の頃から、ちょっとヘンじゃないですか(笑)。

Q)たしかに…
ねっ! 10代で、ああいう詞を書いてるってのはね。まあ…、あの詞がそのまま私のとこに来ることはなかったですけどね。私に書いた時には、ポップスで女の子に書くっていうこともあって、あの「はっぴいえんど」の世界がこなれて、やわらかな感じになりましたから、すごく読みやすいし、わかりやすい詞になってたと思いますね。でも、最初から、ああいう文学的な詞の世界にどっぷりとつかったのが、良かったのか悪かったのかわかりませんけど…。

Q)良かったと思いますけど…
ええ…。でも、本当にそういう意味では、曲もそうなんですけど、最初からすごくクオリティの高い音楽に巡り合ったっていうのは、本当に本当に感謝の気持ちしかないですね。

Q)本当にそうですね…
デビュー曲の「雨だれ」のあと、すぐ3カ月後くらいにアルバムが発売になりましたけど、19歳の時に全部レコーディングしているので、「19歳の太田裕美の世界」なんです。10代の可愛い女の子の詞もいっぱいあるんですけど、ちょっと歌うの恥ずかしいって詞もあって、でも、それでも歌えてしまう作品を与えてもらえたっていうことは、すごいな〜って思いますね。

Q)どういうことでしょう…?
なんかね、あまりにも自分自身とかけ離れた世界だと、「この歌は歌えません」てなっちゃうと思うんですけど、そうじゃなかったんですね。そういう意味では、デビュー曲の「雨だれ」もいくつまで歌っていられるかわかんないけど、もしかしたら、80歳でピアノを弾きながら「雨だれ」を歌えたら、こんな素敵なことはないんじゃないかな〜って思える曲でもありますね。

Q)「しあわせ未満」とか、「夕焼け」とかも、今聴いてもすごくいいです…
へへへへ…(笑)。

Q)いやいや、今、あらためて聴いてみてわかることも多くて、今だから歌詞が沁みてくると言うか、歌詞の世界観がわかると言うか…、たとえば、「しあわせ未満」の歌詞では、1番で「男はいつも2通り」、2番で「女もそんな2通り」、3番で「人間なんて2通り」となっていて、「うまいな〜」って思いますね…。でも、松本さんは、それらを、20代とか、ずっと若い頃に書かれているってことがスゴイです…
そうなんですよ〜。松本さんて、結構、おぼっちゃんですから、そんなに苦労しているとは思えないんですけど…(笑)。

Q)たしかに、どちらかと言うと、たとえば「しあわせ未満」で言えば、「あばら家に住んでるぼく」の方ではなくて、「もっと家柄のいい利巧な男」ってそっちの方のイメージです…
ねっ!でしょ! そうなんですよ〜。そっちの方のタイプのはずなんですけど、だから、それはやっぱり、彼が繊細な心の持ち主だから、経験していないこともいろいろ吸収していて、自分のものとして入っているから、それがちゃんと「命のある言葉」として出てくるっていうことなんですよね。それは、もう、本当に特殊な才能だと思うんですけど…。



Q)最近、ご自宅で音楽を聴かれたりしますか?
もちろん聴きます。そうですね〜、今回のコンサートでも使ったバート・バカラックだとか、あと、最近の人で好きなのは、アデルとかね…。洋楽が圧倒的に多いですね。

Q)日本の方で、最近、気になるアーティストは?
う〜ん…、あっ、もうちょっと前になりますけど、久しぶりに日本の人で、好きで好きでアルバムとか聴きまくったのは「ハナレグミ」ですね。あれくらい好きな人は、それ以降は出会っていないかな…。

Q)息子さんがお二人いらっしゃいますが、息子さんたちは、おいくつですか?
今、25歳と23歳です。

Q)太田裕美さんの歌を聴いたりはされるのですか?
聴かないですね…、あんまり…。全く聴いたことないってこともないですけど、面と向かって感想は聞いたことはないですね。

Q)最近、2004年からは、元かぐや姫の伊勢正三さん、元ガロのボーカルさん(大野真澄)と3人で、「なごみーず」というグループでも活動されています…
はい。今年の11月に、200回記念コンサートをやるし、来年も続く予定です。一緒にずっと音楽の道を歩いている仲間っていう感じで、ずっと続けていけるといいなって、いつも言ってます。

Q)1981年、ニューヨークに行かれる前のシングル「君と歩いた青春」は、伊勢正三さんの詞曲ですが、伊勢正三さんとは、その当時から親交があったのですか?
知り合ったのは、デビューの頃ですね。当時、学園祭とか盛んだった頃で、デビューの2週間くらい前から、学園祭の前座の前座みたいな形で出させてもらってたんですけど、その時、正やん(伊勢正三)は、かぐや姫が解散した後で、「」で出てたんです。当時、話したことはなかったですけど…。

Q)元ガロのボーカルさん(大野真澄)は?
大野さんも、私がデビューした頃、ガロが解散したばっかりの頃に、当時、原宿に「ペニーレーン」ってお店があって……

Q)ありましたね…、拓郎さんの「ペニーレインでバーボン」で有名になった、ミュージシャンが多く集まっていたお店ですね…
そうです。フォークの人たちが多く集まってました。当時、仕事が終わったあと、そのへんによく行ってたんですね。で、「ペニーレーン」の隣に「ライムライト」って系列のお店があって、その「ライムライト」で紹介してもらったの。でも、その頃は私はまだ10代で、むこうは二十歳をすぎた大人ってイメージだったので、あんまり話も合わないような感じがあって、仕事で会っても挨拶する程度で、親しく話すってことはなかったんだけどね。

Q)伊勢正三さん、大野真澄さん、そして太田裕美さんなんて、豪華なグループですよね…
初めて出会ってから何十年もたって、200回も一緒にコンサートをやるくらい、こんなに気が合うなんて…。本当に「時が経つ」っていうのは不思議だな〜って思いますね。

Q)今の日本の音楽シーンを、どういう風に感じていますか?
本当に、今、ある意味、すごくお手軽…。楽器が弾けなくても曲が作れちゃうし、音楽できちゃって、YouTubeに出したら世界で何百万人の人がみてくれるみたいなことが出来ちゃうじゃないですか。でも、一方で、すごく一生懸命に音楽を作ってる人で、「この人すごくいいのに…」って思う人が売れなかったりとか、誰も知らないってことがあり得る…。すご〜く極端な世界でもあるなと思ってるから、そう言う意味では、すごく可能性もあるし、真面目に地味にやっていても、ずっと陽の目を見ないのかな…この人才能あるのにな…ってこともあったりしますね。なんか、すごく難しい…。

Q)ご自身が関わっている部分ではどうですか?
音楽ってこんなに街に溢れていて、いつでも誰でも楽しめて…っていうものなんだけど、音楽を生業にする人たちにとっては、あまりにもみんなのものになりすぎている感じがします。でも、その中で、「プロとして歌っていくのに必要なものってなんだろう?」ってすごく考えますね。「プロでしか出来ない作り方」だとか、「プロにしか歌えない歌」だとか…、「それってどういうことなんだろう…?」って考えます。でも、結局、日々の暮らしとか、生き方の中で、自分が「歌をどれだけ好きで、それをどうやって表現するか」っていうのが凝縮されて出来上がったものが、認められたらいいなって思うんですけど…。あとは、ライブで、どれだけ自分を出して、自分がちゃんと歌っていけるかってことを考えています。

Q)ところで、この前の大和田ホールでのコンサートのブルーの衣装も素敵でしたが、普段着の時も、いつもナチュラルにおしゃれです。普段、お買いものはどちらで…
アハハハ…(笑)

Q)そう思っている女性ファンの方も少なくないと思いますけど…
いや〜、私は気にいったブランドとかもとくにないんです。わりと…、ぷらぷら歩いてて、「ああ、これいい」って思ってパッと買ったりすることが多いですね。

Q)それは、「洋服を買いに行こう」って思って「ぷらぷら」されるのですか?
ううん、そうじゃなくて、友達と待ち合わせの前にちょっとぷらぷらしたりとか、時間があまった時とか、あと、旅先でですね。旅先だと、前の日はコンサートとかで、夜終わるのが遅いじゃないですか。打ち上げがあってホテルに戻って…、それで「明日の朝は昼の12時に集合して出発です」ってなっても、私は普段から早起きなんで、12時出発って時も、8時くらいにはもうお化粧もしてご飯も食べて完璧に用意が出来ちゃってるんです。それで、「さあ、4時間どうしよう…?」ってなっちゃうんで、そうすると、10時くらいから街をぷらぷらして、普段見れないような所を見ていたりすると、「ああ可愛いのがあるな」って思って買ったりするんですよ。だから、結構、地方で見つけて買うってことも多いですよね。

Q)じゃあ、「洋服を買いに行こう」ってことはないんですね…
あんまり買い物好きじゃないんですよね。面倒くさいもん。バーゲンとかもすごい弱くて、人がいっぱいいると、人に負けちゃう感じなんで…(笑)のんびりしたいので…。「これを買わなくちゃ」みたいなのは苦手で、ひょいと見つけて買うのが好き。

(2014年4月、取材・文:西山 寧)


  【DVD】

ライブ DVD が発売!
「 太田裕美 雨女の恩返し Tutumikko 2014 Live 」
2014/07/30 発売 DQB-61 ¥5.400-
Voice & Rythem

  【コンサート・イベント】

☆2014年6月15日(日) 『富澤一誠プロデュース フォーエバーヤング2014 』 
  長野県・須坂市文化会館
  出演:太田裕美・紙ふうせん・マイク眞木、富澤一誠

☆2014年7月3日(木) 『アコースティックナイト in 山口』  山口市民会館
  出演:なごみーず(伊勢正三・太田裕美・大野真澄)コンサート

☆2014年7月13日(日) 『アサヒ緑健 PRESENTS プレミアムコンサート2014
              〜ささやかなこの人生〜』 
  福岡サンパレス
  出演:伊勢正三、太田裕美、大野真澄、松山千春、夏川りみ 

☆2014年7月15日(火) 『太田裕美サマーディナーショー2014』
  大阪・伊丹シティホテル
  出演:太田裕美 w/岩井眞一、西海孝、大古富士子

☆2014年7月19日(土) 『わ"で奏でる東日本応援コンサート 2014 in 名取』
  宮城県・名取市文化会館
  出演:前田憲男、山口マリー、くるみee / ゲスト:太田裕美 他

☆2014年7月20日(日) 『わ"で奏でる東日本応援コンサート 2014 in 二本松』
  福島県・二本松市安達文化ホール
  出演:前田憲男、山口マリー、くるみee / ゲスト:太田裕美 他

☆2014年7月26日(土) 『豊島区がん対策推進・特別公演
             太田裕美ヒットソングとオーケストラで聴く映画音楽』
  東京・豊島公会堂(みらい座いけぶくろ) 第2部(太田裕美&東京室内管弦楽団」
 
☆2014年9月12日(金) 『タイトル未定』
  東京・マウントレーニアホール・渋谷プレジャープレジャー
  出演:太田裕美 w/岩井眞一、西海孝

☆2014年11月03日(月・祝) 『太田裕美コンサート 2014−雨女の恩返し・tutumikko』
  名古屋・中電ホール
  出演:太田裕美 w/岩井眞一、西海孝、大古富士子

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筒美京平 トリビュート カバー アルバム!
アルバムCD 「 tutumikko 」
 

2014年 4月 2日発売
SPACESHOWER MUSIC
DDCZ-1938
¥2.800(税込)

<CD収録曲>

01 タイムマシーン (1995.4.21発売:藤井フミヤ)
02 真夏の出来事 (1971.5.25発売:平山三紀) 
03 ROMANTICが止まらない (1985.1.25発売:C-C-B)
04 ガールフレンド (1968.5.5発売:オックス) 
05 夏のクラクション (1983.7.21発売:稲垣潤一) 
06 人魚 (1994.3.9発売:NOKKO)
07 さらば恋人 (1971.5.1発売:堺正章) 
08 レイン・ステイション  (1975.12.21発売:天地真理) 
09 私は忘れない  (1972.10.5発売:岡崎友紀)
10 強い気持ち・強い愛 (1995.2.28発売:小沢健二)

*括弧内はオリジナル歌手と発売日


最新ベストアルバム!
アルバムCD 「 GOLDEN☆BEST 太田裕美 」
 

2011年 6月 29日発売
Sony Music Direct
MHCL-1917
¥1,905-(税別)

<CD収録曲>

01 雨だれ
02 たんぽぽ
03 夕焼け
04 木綿のハンカチーフ
05 赤いハイヒール
06 最後の一葉
07 しあわせ未満
08 恋愛遊戯
09 九月の雨
10 失恋魔術師


11 ドール
12 振り向けばイエスタディ
13 青空の翳り
14 南風
15 さらばシベリア鉄道
16 君と歩いた青春
17 満月の夜 君んちへ行ったよ
18 雨の音が聞こえる
19 僕は君の涙
20 パパとあなたの影ぼうし



1955年、東京都生まれ、埼玉県で育つ。上野学園音楽学校声楽科声楽コース在学中に、スクールメイツのオーディションに合格。NHK『ステージ101』のレギュラーメンバーとなる。1974年「雨だれ」でデビュー。1975年12月に発売された3枚目のアルバム「心が風邪をひいた日」から「木綿のハンカチーフ」がシングル化され大ヒット。以後、「赤いハイヒール」「しあわせ未満」「九月の雨」「失恋魔術師」「ドール」「さらばシベリア鉄道」「君と歩いた青春」などヒット曲多数。NHK紅白歌合戦には、初登場の1976年から1980年まで5年連続出場。1982年、充電のため歌手活動を一時休業し、アメリカ合衆国・ニューヨークに滞在。帰国後、幅広い音楽活動を経て1985年に結婚、二人の男の子の母となる。1992年から本格的にライブ音楽活動を再開。1998年には「僕は君の涙」(作詞、作曲:太田裕美)、2001年には「パパとあなたの影ぼうし」が、2011年には「金平糖」が、それぞれ「NHKみんなのうた」で放送される。1999年には、松本隆作詞家活動30年記念作としてカバーミニアルバム「CANDY」を発売。2006年、オリジナル・フルアルバム「始まりは"まごころ"だった。」発売。2009年には、シングル「初恋」(作詞:太田裕美、作曲:伊勢正三)が、NHK「ラジオ深夜便のうた」として、2011年12月には、シングル「金平糖」が、NHK「みんなのうた」(2011年12月〜2012年1月)として、それぞれ放送される。2014年4月2日、敬愛する作曲家、筒美京平のトリビュートカバーフルアルバム「tutumikko」を発売。2004年秋からスタートした、伊勢正三、大野真澄との3人組ユニット「なごみーず」の活動が好評で、2010年5月には150回記念コンサートを行い、2014年11月には、200回記念コンサートを予定。現在、デビュー40周年となる。

太田裕美 オフィシャルサイト (Sony Music)
太田裕美 所属事務所 「ボイスアンドリズム」公式スケジュールブログ

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