1位はback numberの「高嶺の花子さん」で2年連続のランクイン、しかも前年発売なのに今また伸びていることも興味深い。これは、1年を通してback numberの歌詞人気が注目されていることに加え、9月の「ミュージックステーション」にて剛力彩芽が“ベスト・ライブ・パフォーマンス”として同作品を選んだことも起因しているだろう。彼らの楽曲は、「花束」や「日曜日」など普遍的なタイトル曲も多いが、この曲や「助演女優症」などちょっとひねりのある曲は大抵タイトルからも予見させるように演出している点も上手い。
2位から4位は、女性アーティストが健闘。特に、2位の「#ヤッチャイタイ」は他のどの部門よりも歌詞検索ランキングにて、好調ぶりが顕著だったので、そのプロモーションの確かさや、我々の潜在的なスケベさ(笑)が露わになった。3位のMACOは、テイラー・スウィフトの日本語カバー。ちなみに、洋楽にあえて昭和時代のように(多少ダサくても)親しみやすい日本語タイトルをつけるようになったのは05年頃大ヒットした「恋のマイアヒ」以降のはず。それだけタイトルは重要なのだ。
他にもSEKAI NO OWARI、ゲスの極み乙女。、RADWIMPS、ONE OK ROCK、MY FIRST STORYとバンドが圧倒的に強く、やはりタイトルが世界観のアピールに大きな意味を成していることが分かる。特に、今年はゲスの極み乙女。の躍進が顕著。また、男性バンドばかりではなく、女性3人組のSHISHAMOも今回はランクイン。他にも、「君と夏フェス」「第3ボタン」など興味あるタイトルが多いので、詳しくは楽曲一覧からチェックしていただきたい。
さらに、今回は6位と13位にジャニーズ勢もランクイン。特に、関ジャニ∞が、ここのところ面白いタイトルが増えて彼らならではのユニークさを表しているが、この「CloveR」は、“R”を大文字にすることで、間に“love”があることにも気づかせ、そこから歌詞を深く読み込ませるという秀逸なタイトル。ガムシャラな歌が多いというイメージの彼らだが、アルバム曲ではかなり多様なので、こうした気の利いたラブソングも今後メジャー化していくのが楽しみだ。
以上のように、今回も今旬のアーティストが名を連ねた。その一方で、今回も女性アイドル曲は皆無だった。とはいえ、でんぱ組.incのように歌詞の面白さが際立ったグループも確実にいるので、今後そういった部分にもメディアがフィーチャーすれば、エンタメ業界全体ももっと面白くなるのではないだろうか。握手イベントの多さでオリコン順位が決まるだけ(こちらの記事も参考いただきたい)では、いつまで経っても一般の人が覚えられないままだし、女性アイドル達の歌詞人気はやはり重要だと思う。