TOP3は、6月下旬〜7月上旬に発表したアルバムがヒット中のカエラ、ミリヤ、カナの女性アーティストが独占。1位の木村カエラは「ゼクシィ」CM、3位の西野カナは、「レコチョク」CM、と共にタイアップやTV出演で伸びているが、2位の加藤ミリヤはノンタイアップで、本作のTV歌唱も殆どない。アルバムの3週前から配信が開始されて、歌詞の注目度を上げ、そのままアルバムヒットにつながった模様。"一番に愛さなくていいから""何度傷ついてもいいの"といった悲惨かつ純粋な心境が、他の"セツナソング"を圧倒しているようだ。
アーティスト別では、GReeeeNがTOP20内に7作もありダントツ。中でもトップの「いつまでも」は、結婚ソングの新定番となりそうなミディアム・バラード。こちらもノンタイアップだが、GReeeeNの楽曲は、タイアップを見越したかのように歌詞もメロディーも映像的なのが多い。なお、6位の福山雅治「最愛」は、自身も作詞・作曲・演奏で参加したKOH+「最愛」も加算すると、約90ポイントでアルバム曲2位相当という高い人気。KOH+は昨年10月の発売なので、今回の高ランクは、ほぼ福山のアルバム発表&東芝『REGZA』CM効果と言えるだろう。今年40歳となった彼の楽曲は、10代、20代の多い歌ネットユーザーにも共感を呼ぶ普遍的な作品だということも分かる。
アルバム曲といえども、やはりシングル同様に旬のアルバムに人気が集中する中で、昨年発売のflumpool「花になれ」(11位)と、HY「366日」(12位)、さらには、同じくHYの3年以上前のアルバム『Confidence』収録の「NAO」(20位)の健闘が光る。キーボード担当の仲宗根泉が歌うラブ・バラードへの歌詞の注目度の高さがうかがえる。他にも、RADWIMPSやシドなど、シングルや着うたランキングと比べて、バンド系が強いのもポイント。バンドの安定した人気には、サウンドやノリだけではなく、歌詞から発するカリスマ性も重要ということか。
以上のように、シングル曲でなくても人気の楽曲が多いこと、しかもその中にはノンタイアップ曲も少なくないということが分かる。このランキングを見て、リスナーの方は"ファンに支えられた本当のヒット"を探してみたり、プロの方は、LIVEやメディアで実演したり、アルバムのプロモーションやシングルリカットの参考資料にしたりと、共にヒットを発掘してもらえると嬉しい。 |