大正毛断嬢

真壁寂室

大正毛断嬢

作詞:真壁寂室
作曲:真壁寂室・ヒバリタカチカ
発売日:2022/07/20
この曲の表示回数:10,168回

大正毛断嬢
嗚呼、もっと自分を愛したゐと
浅き夢見しハヰカラ嬢

今日は帝劇 明日は三越
街角揺れるポスタア
噂の珈琲屋
都会病でさゑ羨ましかった
迷い込んだ銀座裏通り
出遇ったモダン嬢

古の慣例(しきたり)と
個の自愛の殺し合い
主義で溢れ返る此の時代
断髪のモダン
乱れ咲く浪漫
其の主義は幸か不幸か
すれ違い様の甘い残り香
私も何時かそう成れるの?
交差点 流行のオン・パレヰド

もっと自分を愛したゐと
胸の中小さなデモクラシヰ
脱ぎ捨てたいわ海老茶色の春
夢見るハヰカラ嬢

都会の風に揺れる
洋装は花の如し
軽薄と謂われようと
其の人は綺麗でした

質素な思想 真相は失踪
理想は新装 心臓の唸音
西洋被れだってまた冷笑
其れが怖くてマガレヰト
命短し、すゝめよ乙女
モダン嬢に未だに物の哀れよ

もっと自分を愛したゐの
素敵で散文的な此の暮らし
嫌いじゃ無いわ海老茶色の春
憧れ相変わらず
一体、何が私をそうさせるの?
世間の戯言にも耳隠し
簡単な決意で髪は切れないわ
悩めるハヰカラ嬢

嗚呼、東京に憧る夜もすがら
あの美人は凛々しかった。
其れがきっと一筋の希望
明日を変ゑて行くの

もっと自分を愛するのよ
仮令、深い傷を負うとしても
鏡の中の私に問い掛ける
「貴方は如何在りたい?」

真赤なルウジュに頬も染まる
髪飾りも此処に置いて行くわ
然様なら告げる海老茶色の春
ハヰカラ嬢よ未来へ舞い上がれ

花嵐の様に

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