朱隠し

まほらの戸に立つ 産土(ウブスナ)へ 手向けるは 椿花
夢路の社の 其の奥に よもすがら 咲き匂う

捻れの街角 夕暮れに 影法師 誰を想う
からから廻るは 風車 誘われ 君を想う

ないしょ ないしょ きこえくるのは
よいの さかいの かぐらうた

うたえ

あかやあかしやあやかしの 鳥居 越えたその向こう
歪み歪んだこの心 すべてあいして 喰らいましょう

あかやあかしやあやかしの ゆれる狐火 あざやかに
歪み歪んだこの絆 すべてあいして 喰らいましょう

ひふみよいむなや こともちろらね
しきるゆゐつわぬそをたはくめか
うおゑにさりへて のますあせえほれけ

不知花(シラズカズラ)の茜森(アカネモリ) 手招くは まぼろしか
選び選ばれ 行く末は いとしかなしの 朱隠(アカカク)し

逆しまの街はツギハギに 捩れの因果が 蔓延(ハビコ)りて
悼(イタ)みの連鎖はツギツギに 次はどの児(コ)と 追いかける

あかやあかしやあやかしの 願い飢(カツ)えた その果てに
繋ぎ繋げた この想い すべてあいして 赦しましょう

かみのますとりいにいれば このみよりひつぎのみやとやすらげくす
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