化粧

女が口紅 ひくときは
みれんに区切りを
つけるとき
道頓堀の 花に群る
遊蝶たちとの 人情芝居
顔で負けても 色で勝つ

女が黒髪 切るときは
涙と一線 画すとき
宗右衛門町の 昔泣かせた
痛みも忘れた あいつの前を
笑い顔して 歩きたい

女が着物を 着るときは
ときめく相手に
出逢うとき
堂島川の 橋を渡れば
お初徳兵衛の 悲恋の歌が
いまもきこえる おぼろ月
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