望郷しぐれ

のれんをくぐれば かすりの女が
故郷なまりで 迎えてくれる
北は粉雪舞う頃か 望郷しぐれ

ひとり残した お前のことが 気にかかる
手編みのセーター かさね着すれば
背中にお前のぬくもりしみる
俺のこの胸 濡らすのさ 望郷しぐれ

手酌の酒に 浮かんで揺れる 恋女房
この身は遠くに 離れていても
心はひとつさ 思いがつのる
待っていてくれ 帰る日を 望郷しぐれ
根雪とければ 一緒に暮す春がくる
×