屋久島ひとり旅

屋久島は ひと月に
三十五日 雨が降るという
ガイドブックを 頼りにひとり
恋に終わりを 告げる旅
船を降りれば 迎える風に
何か変われる 気がします

「おかしいよ 泣くなんて
泣くほどまでの 恋じゃないだろう」
森の静寂(しじま)で 仰いだ空に
あなたの言葉が 木霊(こだま)する
辿り着けない 恋だと私
知っていながら 馬鹿でした

雨よ降れ もっと降れ
悲しみ全部 洗い流すように
命溢れる 縄文杉よ
なんて私は ちっぽけね
折れた枝から 新たな芽吹き
生まれ変われる 気がします
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