あの頃から

上がった体温に頭がクラクラしている
重たい体を起こして支度を済ます
扉を開けたら街の一部になって
何者でもない
それなりの人になって
あいつの話はいつもくだらないジョーク
本当か嘘かも分からないようなトーク
それでも周りを次第に明るくしている
羨む自分の欠けたとこモロに喰らって

あいつは良いよなで始まる空気に
何にも始まらないことに気づいて
渦巻く不安に逸らした目線戻し
行く宛てもないままで家を出た

忘れたくて忘れたくて
誰も知らない街で暮らしてみた
ほんの少し変われるきっかけが
あればいいなと思って踏み出した

変わりたくて変わりたくて
少しだけでも誰かに頼られるくらい
身にまとった余計なもの全て
今ここからリセットしたい

新しい時代に世間は浮き足立って
何も変わっていないのに変わった気になった
知りたいことは知れないようなニュース
知らなきゃいけない現実に目を背ける

あんなに嫌だと歌ったことさえ
今では許せる自分に気付いて
大人になったとありきたりな言葉で
またひとつ何かを失ったよな

変わりたくて変わりたくて
柄にもないようなことばかりして
見失った自分取り戻すのに
また余計な時間使った

今でもたまに夢を見るんだ
1人真夜中歌い始めたあの日や

なんとなくで背負った荷物は
いつ下ろしていいのか分からないまま
いつの間にか大事な物になって
あの頃から変わっていた

上がった体温に頭がクラクラしている
重たい体を起こして支度を済ます
扉を開けたらこの街の一部になって
踏み出す1歩で
全てを見に行こう
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