女の雪月花

雪のひとひら 紅筆で
女を染めて 夢を見る
この命 はかなくて
春の日が まだ遠い
惚れて三年
焦がれて三月
恋に降りつむ 雪の舞い

蒼月の光の ひとしずく
恋待川に 降ればいい
ひと目だけ 逢いたくて
愛しさに 泣けてくる
夢の櫓をこぐ
十六夜舟の
恋にしぐれる 月の舞い

花の舞台は 艶やかに
炎えて咲きたい
おんな故
四季はただ 流れゆき
こころだけ 冬仕度
春を憎んで
また春を待つ
恋は緋桜 花の舞い
×